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北森ペット病院

2018年4月24日 (火)

病院自慢②つづき

北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。


今日は、先日の病院自慢の②、つづきです。


当院では、獣医師が会計をする・・・その効用について、先回書きました。それが、命を救ったと言う症例をひとつ紹介したいと思います。


どの獣医師も、毎日何症例も診察していると、何度か、ひゃっとしたことがあると思いますが、そんな話です。


それは、毎年、季節の変わり目に膀胱炎になるワンちゃんの症例でした。膀胱炎の症状は、血尿が出るという飼い主にも分かりやすいものです。そのワンちゃん、1か月前に膀胱炎になって、再発した様子でした。その年、3回目の再発でした。


飼い主 『先生、またこの子、膀胱炎の症状が出てます。元気はあるんですが。』


私 『いつもの血尿、頻尿ですね?』


飼い主 『そうです』


元気、食欲の有無を確認して、1か月前に膀胱のエコー、血液検査を済ませていますから、お薬で様子をみましょうという話になりました。よくあるシーンですね。


で、会計を済ませて、飼い主さんが一言

(会計後の飼い主さんって、話し方や表情から変わる方が多いという話を先回しましたが、その方もそのような方でした。診察中、緊張させているとしたらすみません。)


『先生、今回はおしっこの回数がないのは、膀胱炎が軽いからですか?』


凍りつきました。


え? おしっこの回数少ない? だって、さっき頻尿だって言いましたよね(心の中の私の言葉です)。


後から聞くと・・・・えっと、ひんにょう、ヒンニョウ・・・・・・あ、貧尿ね・・・・だったそうです。頻尿を頭の中で貧尿と勘違いして(もちろんそんな言葉はありませんが)、おしっこの回数が少ないという意味に捉えていたそうです。


これはタダごとじゃないと思い、診察室に戻って頂き、血液検査をすると、溶血が認められました。初期の溶血性貧血だったのです(死亡率の高い、血液が壊れる免疫病)。


あやうく誤診するところでした。


あのまま、帰していたら・・・と思うと、ほんとゾッとします。


事務の女性はいますが、やはり会計仕事は、対面で、自分でやらないと気が済まない、そんな病院です。

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2018年4月22日 (日)

病院自慢①

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今日は、病院のアピールポイントについてです。たまには自慢させてください(笑)。


Webサイトや本・雑誌の動物病院紹介に病院が掲載される時、よく病院のアピールポイントを書いて下さいと言う、要望があります。


そこで、内容がほぼ却下される当院のアピールポイントがあります。


それは、『当院ではお会計は獣医師が致します』というものです。


たぶん、記事をまとめる方には、意味不明なんでしょうね。絶対に書き換えてくださいと言われます。皆さんにも意味不明ですか?こちらは、大真面目に書いているのですがね・・・・・・・・。


私自身もそうですが、病院にかかった時、医師を前にすると、緊張して言いたいことの全ては言えないものです。更に、医師の治療方針が決定した後も、その場ではなかなか質問や疑問は思い浮かばないものです。なにせ初めて聞くことばかりですからね。


病院に入るときの緊張感と、病院を出るときの少しほっとする感じ(もちろんショックをうけることもありますが)のあのの落差を経験したことない方はいないでしょう。


私の経験では、病院で会計してホットした時に、『あれどういう意味だろうか?』と疑問がわいてくることや、『あの事、先生に言い忘れた』と気が付くことがあります。お薬の処方も同じで、薬局で会計後に、『ところでこの薬の副作用は?』なんて、聞くことありませんか?


どういうわけだか、会計した後って、(緊張感が取れるのか?)、色々疑問や質問が出てくるようか気がします。


獣医師-飼い主という緊張関係が、ある種、ほどける瞬間なんでしょうかね~。学校で、授業中の先生よりも、廊下で会う先生の方が質問しやすいとか、そんな感じと一緒かもしれませんが・・・。


話し方や表情が、会計後と診察室の中とでは、まったく変わる飼い主さん、意外と多いんですよ。


と言うわけで、当院では、事務的な仕事をしている方はいますが、よほど忙しい時以外は、『獣医師自身が会計します』。


その理由はもうお分かりですよね。


インフォームドコンセントをより深化させるためです。会計後の緊張感がとれた時に出てくる飼い主の疑問、質問、要望・・・・これが意外と私たちにとっては重要なんですよね。


お薬だけの処方で来院される方も多いですが、ここぞとばかりに日ごろの疑問質問をぶつけて見てください。質問するだけならタダですから(病院に言ってタダで医師の意見なんて聞けないでしょ?)、お得だと思いますよ。


この話は、つづきます。


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2018年4月20日 (金)

誤解が多い犬のオモチャ・オヤツ

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本日は、誤解が多い、犬のオモチャ・オヤツがもたらす疾患について書きます。硬いオモチャやオヤツが原因の疾患です。


その前に、


普段当ブログでは、症例紹介の様な事はしないのが基本姿勢です。病院のHPで、疾患自体にスポットをあてて、皆さんの為に、疾患の説明と言う意味あいで個々の症例を併せて掲載することはあります。


しかし、ブログで、今日こんな症例が来た・手術をしたったというのは、症例自体にスポットがあたり、腕自慢の様なアホ臭い意味合いになる事がありますから、当院では行わないのが基本です。そのような事が好きならば、ブログではなく、ぜひプロの前で、学会、論文で症例紹介して下さいと思います(それが出来ないのでアマチュアの前で紹介するのでしょうが・・・・)。


さて、とは言うものの、あまりにも症例が多いので、ブログを通じて、注意喚起と言う意味で症例紹介したいと思います。


硬いもの(オヤツ、オモチャ)を与えたが故に起こる、歯の疾患、根尖膿瘍・・・そこからの顎の骨の骨融解です。


ワンちゃんに、硬いもの与えてませんか?


多くのケースの場合、犬の眼の下が急に腫れたという訴えで来院されます。


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稀に、その状態を放置して、皮膚に穴があいてから来院されることもあります。


口腔内を見て、汚れが多い場合は、歯石・歯槽膿漏・歯肉炎からの細菌感染が原因ですが、


とても多いのが、硬いオヤツ・オモチャによる歯の破折(歯が欠けること)です。


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折れた箇所から細菌感染して、歯の根っこが腐っておこるのが根尖膿瘍です。骨融解がおこり、皮膚が腫れたり、そこが破裂して膿がでるのです。


根尖膿瘍の骨融解のCT画像です。


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当院もそうですが、通常の病院には歯科専門のレントゲンやCTもないので、歯の根元の状態を検査するのは一般的ではありません。


治療は、根尖膿瘍を起こしている歯の抜歯になりますが、稀に、既に歯の根元が腐ってバラバラになり、抜歯したつもりがわずかに破片が残り、それが原因で膿瘍が治らないこともあったり、下の歯の場合は、顎の骨が薄いので抜歯時に骨折する可能性があったり、特に小型犬は治療に苦労することがあります。


犬が骨を咥えて遊ぶイメージがありますが、人間の歯と同じで、硬いものを噛むと、歯は欠けますから、本当に注意して下さいね。


●当院歯科・歯石のページ
http://kitamori.in.coocan.jp/siseki.html

北森ペット病院(千葉県茂原市)
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2018年4月18日 (水)

犬アトピー性皮膚炎・アポキルに関する情報

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本日は、犬アトピー性皮膚炎治療薬のアポキルに関する情報お話をします。


近年、犬アトピー性皮膚炎治療薬のJAK阻害剤・アポキルが話題です。効果はステロイドと同等、効果発揮時間はステロイドよりも早く、かつ重篤な副作用も報告されていません。


しかし、同じタイプの薬が人ではリュウマチ治療薬で使用され、2000人に対する使用で8人が死亡した事実、加えて、リュウマチ学会が使用に際しては厳格にする旨の通知を出している事もあり、当院では発売以来2年間、使用を控えてきました。


https://www.ryumachi-jp.com/info/news150713.pdf


最近、様々なデータが公開され、アポキルとヒトのJAK阻害I剤とは、作用点が若干異なることがわかってきました。アポキルはIL-31を、上記のJAK阻害剤・ゼルヤンツは、IL-6を主なターゲットとしているのです。

同じメカニズムでも、若干の作用点の違いが、副作用報告の差になっている可能性が出てきました。


というわけで、当院では、2018年3月をもって、アポキルの使用を開始する事に致しました。


今回の新薬アポキルは、ヒトでの副作用と犬での副作用が合致しないというのが、使用を控える理由でしたが、


加えて言うと、薬に効果あるのと、薬で寿命が延びるのはまったく次元が違います。


人では、以前、不整脈の薬を飲ませ続けた場合、逆に死亡率が上がったという有名な研究がありました(Cast study)。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Echt−DS+et+al.,+N+Engl+J+Med,+1991


新薬が出た際は、自分なら、あるいは自分の子供に飲ませられるか・・・という基準で、いつも処方を心がけています。


ちなみに、動物アレルギー性疾患国際委員会が出した、犬アトピー性皮膚炎(AD)のガイドライン(最新版2015年)は以下になります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26276051


簡単に書くと

・acute flares of AD (急性悪化期のAD)
oral glucocorticoids (ステロイド)or oclacitinib(アポキル)

・chronic canine AD (慢性期のAD)
oral glucocorticoids(ステロイド), oral ciclosporin(アトピカ), oral oclacitinib(アポキル)

です。


●当院皮膚科のページ

http://kitamori.in.coocan.jp/dermatology.html



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2018年4月16日 (月)

友人の診察の難しさ

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本日は、友人の診察の難しさについてです。インフォムドコンセントに関わる事です。


『嫌い?』

『うん、大嫌い!!』


私たちは、時に、言葉そのものの意味ではないメッセージを相手に伝えます。コミュニケーションの本質は、そこにあると思います。


(だから相手の見えないメール、SNSではコミュニケーションが不調になることが多いのです)。

私たちも普通の人間ですから、緊張感続く診察の毎日で、知人・友人に出会うとると、ほっとしたり、笑顔になったりしてしまうことがあります。


しかし、この態度が、私たちが伝えたい言葉にならない本質的なメッセージを、隠してしまうことがあるのです。


簡単に言ってしまえば、病状を言葉以上に、軽度な方向に伝えてしまうのです(伝わってしまうのです)。

(逆に、患者側から獣医師に対するメッセージも、軽く伝わる可能性もあります)


プロですから、注意はしているのですが、常にメッセージの伝わり方に配慮するのは、なかなか大変な作業です。


く町で知り合いになった獣医師(医師でもいいのですが)に、実際に診察してもらったら、まったく態度が違った・・・・なんて話、良く聞くと思います。


でもね、それは、その方がプロに徹しているからなんですよね。その落差は、プロの証なんです。


友人・知人の方が、インフォームドコンセントがスムーズにいくと思うのは、案外、単純な思考です。



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2018年4月14日 (土)

最近のフィラリア・ノミ・ダニ駆除薬に関する恐怖

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本日は、最近のフィラリア・ノミ・ダニ駆除薬に関する恐怖について書きます。


動物薬の新薬は、基本的に欧米発です。欧米は、動物愛護に関しては日本よりも先進的な国柄ですが、愛護の意味合いが日本とは少々違っています。


例えば、欧米では、先天性疾患や、コントロールできない疾患の子は、比較的安易に安楽死させます。海外の論文を読んでいても、すごく多いです。


新薬に関しても、動物の体に合ったというよりも、完全に、飼い主の負担を下げるような観点からの開発です。まあ、合理的な疾患管理ということですね。


最近の長期作用型のノミ・ダニ駆除薬や、それらとフィラリア薬の合剤がそうですね。


● 効果が1か月(以上)も持続する(長期作用型)

●1錠に何種類もの薬が入っている(合剤)


のが特徴です。


多くの飼い主は(いや獣医師も)、薬学に疎いので、投薬が楽で、効果もオールインワン、うん・・・そんなものか・・・と思われるかもしれませんが、おそらく、薬学を少しでもかじったことある方ならば、まずは薬剤の安全性に関して疑ってみるのが知性というものです。


例えば、


● 副作用が出た場合、どちらの成分かわかりません

● 副作用、アレルギー反応が長期持続する可能性があります。

● 効果が1か月持続と言えば聞こえはいいですが、見方を変えると、殺虫剤を1か月体内に残留させるということです。

● 常に体に薬剤があるので、他の疾患の薬との併用作用が常に心配になります

● 肝臓、腎臓の悪い子では、薬がどんどん体に殺虫剤成分が蓄積していく可能性があります

合剤に関しては、確かに、人間でも循環器のお薬とかにはありますが、長期作用型の薬剤に関しては、特殊なたんぱく製剤・抗体薬・ホルモン剤など体内成分に関連する薬剤は別にして、一般的には無く、投薬を忘れてしまう疾患の場合に検討されるくらいです。


http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179410G1028_1_04/


私は、薬剤は、なるべく投薬と反応の因果関係が分かりやすく、体内になるべく入らず、体内に入っても速やかに体内から消えてなくなるのが安全性が高いと思っています。


(そう言う意味では、Fラインは、画期的でしたね)


まあ、膨大な頭数の実験犬達(安易にそんな薬を飲まされているワンちゃんの事です)のデータを見ながら、


私は、少なくとも、数年は、人間には無いような薬剤には手をだしません。


思いだします。


もう10年以上前、1回の注射で半年以上効果が持続するフィラリア予防薬が、なにもの入りで国内販売されました。私は既に、オーストラリアでその薬剤が死亡事故を起こしているのを論文でみていたので、国内の販売員に聞いたら、まったく知らないんですね。


人の医薬品の販売員は、MRといって、れっきとした資格職種ですが、動物薬の場合は、単なる営業です(今はかなり洗練されてきましたが)。まあ、海外論文なんて知らないですよね。


そして、結局、その薬剤は、国内販売されて、少なからずの死亡事故を起こしました。


私の処方の基本は、自分、自分の子供にその薬を飲ませられるかですからね(この発言、欧米人が聞いたら、大笑いでしょうね。人とペットは同じじゃないってね。)


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2018年4月12日 (木)

大谷選手 欲望と欲求

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大谷選手すごいですね。


彼を見ていると、欲望と欲求の差を感じますね。彼は、間違いなく、野球を欲望していますね。


欲求は、欠けた世界を充足したいという衝動で、欲望は、世界を拡大したいという衝動です。えてして、スポーツ選手は計量化できる数値のみを追いかけますが、これは欲求ですね。イメージできる(練習で可能な)数値を追いかけるのみですからね。

その点、大谷選手は、野球に対する非常に強い欲望を持っています。


私たちの世界も、同様です。これまでの延長線でのみ獣医の仕事をすると、それは計量化できる・・・例えば売上とか患者数とか・・・・指標のみへの欲求が支配する陳腐な日常が待っています。

もっと獣医を欲望しないといけませんね。


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2018年4月10日 (火)

免疫について② 風邪をひきやすい体質とは

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本日は、免疫についてお話です。その②です。


病気(感染症)にかかりやすい個体と、かかりにくい個体の差について書きます(風邪や下痢を起こしやすい人とそうでない方の差ですね)。


大体、以下の様に説明されています。


① 粘膜、皮膚バリア機能の差
皮膚、粘膜が乾燥しやすい人は、外敵侵入抑制機能としてのバリア機能の低下がおこり、細菌、ウイルスなどの感染を受けやすくなります。


② 免疫細胞の数が低下する要因の多い人
ストレスの過多。ストレスがかかると交感神経が有意になり、体内からステロイドホルモンが放出されます。ステロイドホルモンは免疫系を抑制します。

年齢要因。高齢者は免疫細胞自体が減少しています。これは胸腺という組織で作られるリンパ球の数が減少するからです。

ストレスフルな人や高齢者は、免疫細胞自体の数が減少して、感染症に対して弱くなります。


③ 獲得免疫能の差
色々な感染症を経験した方、ワクチン接種の多い方は、獲得した免疫能が高いので、抵抗力が強い。


④ MHC分子の多様性の差
少々難しいですが、じっくりとお読みください。とても重要な部分です。いわゆる体質に関わる部分です。

体に入ってきたバイ菌は、ある細胞に食べられ、細かな分子に分解されます。分解された分子は、その細胞の細胞膜表面のMHCに運ばれ、免疫細胞のリンパ球に情報を伝えます。

しかし、MHCは個体によって多様性があり、分解された分子がMHCにうまく乗っからない個体があります。


そのような個体では、免疫細胞のリンパ球にうまく情報が伝わらないので、感染が成立します。

以上が、いわゆる風邪をよくひく人とひかない人の差です。


犬猫は、あまり風邪をひきませんが、私の想像だと、人間と違って、言葉を発しない分、口を開けませんし、口呼吸もしません。ゆえに上部気道の乾燥を起こしずらいので、あまり風邪をひかないのだと思います。小さい時は犬猫でも鳴きますから、気道粘膜からの感染症を起こしやすいのだと思います。

これ、獣医学上の大発見だ~と、昔、院長(嫁)に言ったら、動物は、仕事がないからストレスがかからないからじゃないと言われました。

さて、皆さん、どう思いますか?


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2018年4月 8日 (日)

免疫について①

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本日は、免疫についてお話です。その①です。


日頃、一般の方とお話をしていて、一番誤解が多い分野・・・・それは免疫分野だと思います。


免疫を上げる食事とか、免疫を上げると癌が治るとか、まあ嘘八百の情報が、ありとあらゆる所で飛びかっていますからね。


専門家が読むような医学書で、免疫を上げる方法なんて項目は、まずありませんし(逆に下げる方法は多々ありますが)、単一の食品で免疫が上がるなんて書かれている箇所は皆無です。


何故かと言うと、免疫・・・・正確に言うと免疫反応・・・・・は、体内では、常に活性と抑制のバランスでなりたっているからです。

免疫反応は、活性化すると、なるべく早めに抑制がかかるようなシステムになっているのです。


そのバランスが崩れ、つまり免疫が活性化ばかりしていると起こる疾患が、


肝炎ウイルス感染の時に発症する劇症肝炎
インフルエンザ脳症
・細菌感染・外傷・手術時に起こる免疫反応の暴走SIRS(全身性炎症反応症候群)


で、致死的な疾患です。これらは、ウイルスや細菌や外傷刺激に対する過度な免疫反応の結果起こります。治療は、ステロイドによる免疫抑制、治療のタイミングを誤れば死亡します。


それ以外にも、自己免疫性疾患は、自身に対する免疫が強すぎて起こる疾患ですし、アレルギー疾患は、外部からの物質に対する免疫過剰です。


つまり、免疫は、反応の強度を上げると言うよりは、適度なバランスが重要で、上げすぎると上述の様な色々な怖い疾患が起こるのです。


有名な実験があります。


マウスの免疫抑制システムをつぶす・・・・つまり常に免疫を活性化させる・・・・という実験がありますが、その結果どうなるかと言うと、マウスには自己免疫性疾患が発症します。


●●食べると、免疫が上げる・・・・・・まあ、あんまりコマーシャルに踊らされないように、しましょうね。


次回は、免疫に関する②で、病気(感染症)になりやすい個体と、なりにくい個体の差について書きます(ようするに風邪をひきやすい人とひきにくい人の差ですね)。



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2018年4月 6日 (金)

犬にかまれるのは自分のせい?

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今日は、犬の咬傷事故についての論文です。


欧米人と言うのは、時に、我々からみると考えもつかない不思議な問いをたてる民族です。しかし、ニュートンの例を上げるまでも無く、頭の良さとは、問いを立てる能力ですから、彼らが、科学を発達させてきた理由は、そんな民族性故なんでしょう。


今回は、そんな話です。


犬に咬まれるヒトには、何か特徴があるのか?について科学的に検証したという研究です(なんてユニークな発想なんでしょう)。


イギリスのリバプール大学の研究者が行った研究で、


https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29437877


世界中で、心理学の研究等で汎用されている性格評価法 Ten Item Personality Inventory (TIPI)スコア・・・・・・外向性、協調性、勤勉性等の項目を、1~7ポイントで評価する方法・・・・・を利用して、

犬にかまれたヒトの性格を分析しました。


その結果、


神経症傾向が低い人は、犬に咬まれる可能性が低くなることを発見しました。神経症傾向に関する項目のポイントが1ポイント変化するごとに、咬まれるリスクが0.77倍減少するそうです。


なんだか、犬に咬まれるのは、人間側にも問題がある?というユニークな研究結果ですね。


そう言えば、子供の時、まだ野犬が沢山いた頃、怖が子供はより咬まれ易いなんて言ってましたよね。


ちなみに咬まれるリスクは、1000人のうち18.7人54.7%が見知らぬ犬に、また44%が小児の時に咬まれたそうです。



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