ペットを何故飼うのか③
つづき
人は、社会性をもつ動物です。社会性は言語の伝達・・・・・コミュニケーションに基礎づけられます。しかし、私たちは、言葉が伝わらない相手にも、しばしば話しかけます。
赤ちゃんと、ペットが、その代表格です。
子供が出来た時、私、ハッとしたことを覚えています。当然ですが、(話が通じないけど)赤ちゃんに、話しかけるのですが、その行為って、それまでペットに対して行っていたものと、シーンは少々違いますが、とてもよく似ていたからです。
どうして、言葉が伝わらない生き物に、話かけるのでしょうか?
私は、コミュニケーションの根源的な意味がそこにあると思います。つまり、コミュニケーションって、言葉の内容よりも、あなたに対するメッセージがあるよという身体感覚があり、それが相手に伝わることだと思います。
ペットに対するものも、まだ言葉がわからない赤ちゃんに対するものも、私はあなたにメッセージが今確かにあるよという私の実感と、それを伝えたいという意識と、さらにそれを受け止めたという身体的変化(鳴き声であり、笑顔であり)と、(私による)その変化の確認・・・・・・これがコミュニケーションの根源的な意味であり、社会的な生き物である私たちの生きる力を高めるものだと思います。
コミュニケーションを内容の伝達と考える人もいますが、私は違うと思います。昔よくやった(今はしないのかな)、伝言ゲームってありますよね。10人くらいで、短いセンテンスを伝え合うゲーム。必ず最初と最後では、内容が異なって笑いに変わる、あのゲームです。あのゲームは、私たちに、言葉で伝えたことと、伝わったことには必ず差異があると言う事を教えてくれます。
それでも、私たちがあのゲームを楽しむのは、コミュニケーションとは言葉の内容ではなく、あなたにメッセージがある、これは私宛のメッセージだという身体的な文脈それ自体に、コミュニケーションの根源的な意味があるからではないでしょうか。内容の伝達よりもその行為それ自体が、私たちに喜びを与えているのではないでしょうか。
まだ未開だった時代から、民族、文明、時代を超えて、ペット飼育が行われているのは、そんな社会性を持つ人間のとてもプリミティブな行為(楽しみ)ではないでしょうか。
赤ちゃんが、動物を好きなは、動物の行動が、自分に対するメッセージだと受け止めるからだと思います。もしくは、何かを伝えたいからかもしれません。
と言うわけで、3回に分けて書きましたが、ペットを飼う理由は、現代的なものと、根源的なものがあるような気がします。
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