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北森ペット病院


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2018年1月

2018年1月31日 (水)

患者の不満①

北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。


今日は、患者さんの不満についてです。


(例によって)医師専用の情報サイトで報告されたデータに関して・・・今回は、全国2000人の患者さんの、病院に対する満足度に関するアンケート結果についてです。


(獣医領域では、なかなかこのような大規模調査は行われませんが、同じ医療なので、とても参考になります)


報告では、医療への満足度に影響する一番大きな要因は、『医師による説明』で、他の、例えば『待ち時間の長さ』などにはあまり相関性が無いことがわかった・・・とあります。


要するに、患者の不満には、『医師の説明(不足)』が一番関係しているということです。


身につまされますね。


たぶん、獣医療でも、『獣医師の説明(不足)』の問題は、飼い主の不満に直結している問題だと感じます。


しかし、わかってはいるけど、この『説明』問題は、解決が難しい問題だという印象があります。


Aという症状でBと言う検査をしてCと判断してDの薬を出す・・・・医療の流れは、このパターンに多くは尽きるのですが、


我々の頭の中には、そのパターンの裏で


Dが効かない場合はFの薬を出して、D、Fが効かない場合はGの薬を出して・・・いやいやDの薬でHの反応が見られたらCの判断は間違いでIの薬を出して・・・・・・・そうそう、その場合はJの検査も必要かな


という延々続くストーリーが、常に稼働しています。


どこまで、今、話すべきか悩みます。


いくらその時点で思いつくことを全てお話したとしても、


治療中の予想もできない反応に関しては、当然あらかじめ説明はできません。しかし、飼い主にとっては『説明の不足』と、受け止めるでしょう。そんな場合、薬がどんどん変更されていくこともありますが、獣医師にとっては日常の治療の変更過程が、飼い主にとっては、そんなことは聞いていなかった・・・となるケースも多々あります。


現実をいくら言葉でとらえようとしても、その時点での言葉でとらえられうることしか、把握できません。常に、予断を許さない新しい現象がわき起こるのが現実なのです。


無限の症状のパターン(症状は個体にって違うものです)を、有限の時間で、有限の言葉で説明する難しさを常に背負っているのが医療者だと思います。


そんな話聞いてないよ!・・・・・・何度この言葉に反省したことか。でも・・・・難しい問題ですよ。

2018年1月29日 (月)

インフルエンザ

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本日は、インフルエンザの話です(人の)。


私、Doctor(人医)に最新の医療情報・学会情報・論文を提供する専門のサイトに登録しているので、様々な医学のトピクスが入ってきます。獣医学にも応用できたり、最新の医学知識が吸収できるので、とてもよい刺激になっています。


最近、そこでインフルエンザに関する世界最新の情報が掲載されていたので、紹介いたします。


元のデータは、下記高級誌Lancetからですが、

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=lancet+2017+390+697-708


これをもとに専門医が解説していました。併せて、ピックアップします。


それによると


① パンデミクを起こすのはA型で、B型はおこさない。
(A型のスペイン風邪の時は、日本では100人に1人が死亡したんですね)


② インフルエンザは、1人が1.28人にうつす。
(ちなみに風疹は1人が7~9人にうつすそうです)


③ 抗インフルエンザ薬は、健康成人の症状を1日未満短縮。また重症者の肺炎や入院期間をそれぞれ0.5倍、0.3倍にする。


④ 65歳以上、妊婦、小児などにはワクチンが効果的。


⑤ ワクチン株と流行株が一致すればワクチンの有効率は50~60%。

⑥ 日本では、子供の集団接種がなくなって、高齢者の肺炎による死亡率が上昇した。
(郡免疫が高齢者の死亡率を抑制していたんですね)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=N+Engl+J+Med+2001+344+889


⑦ 感染の拡大を抑制するために必要な集団免疫率(ワクチン接種率)は50~67%


⑧ インフルエンザ関連肺炎には、インフルエンザウイルスによる肺炎と、インフルエンザ後の細菌性肺炎(肺炎球菌、MRSAなど)がある。インフルエンザの症状が始まって、4~14日後に再度発熱があった場合は(2峰性)、細菌性肺炎を疑う。


⑨ インフルエンザの感染は、空気感染、接触感染、飛沫感染でおこります。ちなみに結核は空気感染のみだそうです。換気をよくしてサージカルマスク(普通の人は手に入らないですが)をすると、インフルエンザの感染は、だいたい防げる。


⑩ 小児インフルエンザでアスピリンを投薬すると脳炎や肝炎を起こすので注意(有名な話ですね)。特に幼児の死亡率は30%にもなる。


⑪ インフルエンザでは希に脳脊髄炎、ギランバレー、無菌性髄膜炎を起こす


以上です。


私的には、⑥の情報には驚きました。高級誌に、米国人研究者が報告したデータです。


医学の情報は、獣医学と違い、論文を引いて、細かい数値にまで言及します。獣医学とのレベルの差にいつも驚いています(とても勉強になりますが)。

2018年1月27日 (土)

論文捏造

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本日は、先だって日本最高峰の研究機関(iPS研究所)で起きた論文捏造事件についてです。


もちろん、論文捏造自体は良くない事ですが、事件が起きた背景には、大学をはじめとする日本の高等研究機関が抱える大きな問題が横たわっています。


承知のように、数年前から、国は、研究の効率化の名のもと、大学などの研究機関を株式会社化してきました。成果主義の導入です。


株式会社は、最小限の投資で最大限の成果を短期間に生み出すことを目的としています。それはそれで合目的でしょうが、研究は、長期的視野にたって行うもので、しかも失敗など思わぬところからイノベーションがおこります。ミスから新しい発見が・・・なんて話は良く知られた事実ですよね。科学研究におけるパラダイムシフトは、予想もできないところから起こることがあるのです(まさにiPSがそうでした)。


つまり、株式会社的な成果主義にはまったくなじまないのが研究なのです。


今回事件が発生した研究所は、日本の威信をかけた機関ですが、事件を起こした研究者をはじめ、多くの研究者が3年程度の委託研究者です。つまり3年程度で目に見えた成果が無ければクビ(トランプさんの好きなfireですね)なのです。


捏造した研究者も、相当焦っていたのだと思います。


繰り返しますが、あらかじめ成果が予想できないのが一歩先を行く研究であって、数年で計画的になされるのは単なる実験で、研究じゃありません。


日本の高等教育の失敗に関する雑記を以前に書きましたが、先日、米国の研究機関の発表で、中国が、科学論文数で米国を抜いて世界一位になったようです。日本は、インド、ドイツ、英国についで6位に後退です。


中国は人口が多いというアドバンテージがありますが、国民1人あたりの論文数に換算した場合、日本は韓国や台湾よりも下です。


研究機関の株式会社化、それに伴う研究者の小手先の成果の追及、論文の劣化・・・・・

今回の日本トップクラスの研究所でおきた捏造事件や、計量化できるデータを見ると、科学立国日本の土台が崩れて行くような気がします。

2018年1月25日 (木)

無知

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先だって、けっこうな数の人たちが、数百万~数千万円の損害を、磁気治療法の詐欺でうけたとのTV報道がありましたね。


本当にかわいそうな話ですが、後を絶ちませんよね。


こういう報道を見ると、無知って、情報の欠如ではなくて、積極的な情熱なんですよね。


末期がんのなんちゃんて療法にはまる人や(獣)医師も同じですね。情熱ですね。

2018年1月24日 (水)

サスケ

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本日は、当家の可愛いネコの紹介です。


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♂ネコのサスケです。縁あって、数ヶ月前に当家の子になりました。


実はこの子、生まれつき4つ脚で立てず、歩けません。おそらく脳の障害だと思われます。自力で食事もできません。ケージに入れておくと、かろうじて寝返りはうてますが、24時間横になっています。当然、トイレもいけません。


でも、食欲は旺盛です(人の手で口の中にフードを入れます)。人の気配がすると、鳴いて我々を呼びます。抱っこするとゴロゴロゴロゴロ言います。目は見えているようで、猫じゃらしを必死で追います。楽しそうです。


超可愛いです。


経験的に、普通のネコの生活を取り戻せることは100%ないでしょうが、この障害のネコに毎日癒されています。治せないのに癒されるという、少々倒錯ぎみですが、可愛くてしょうがありません。


病院スペースでも、診察の合間に抱っこしているので、もしふれあいたい方はお気軽にお声をかけて下さい。


抱っこし放題ですから・・・・。


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最近、やんちゃなメインクーンのキングさまが、この子を抱っこして舐めるようになりました。


サスケも、まんざらじゃない様子。

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忙しく、病院に張り付いている日々。両親が、気晴らしに家族旅行でもしたら~なんて言うのですが、サスケを抱いて音楽聴いていたほうが癒されます。

2018年1月22日 (月)

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17時です。当院のある地域も、いよいよ雪が降ってきましたね。12年前の今日は大雪だったのですが(写真 嫁と作った雪だるま)、今年は積もるかな~。

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通院のある人には大変申し訳ないけど、たまには大雪が社会を覆いつくして欲しいと思いますね。ダラダラと流れ続ける経済を一次的にでもSTOPさせて・・・なんて思います。


大災害は困りますが、たかだか首都圏の1日こっきりの大雪なんて、楽しもうじゃありませんか!


どうも最近、何もないのがデフォルトのような気分が蔓延してますが、(TVも雪ぐらいで大騒ぎしすぎですね)、何が起こるかわからないのが自然であり人生ですよね。


たまには子供の様に、はしゃぎましょう・・・・って!


雪って美しいですよ! (学生の頃過ごした北海道を思い出します)

The Willard   Snowy White

https://www.youtube.com/watch?v=6KoapbDkGA0

巨星落つ

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評論家・思想家の西部邁先生が、お亡くなりになりました。自死でした。江藤淳先生以来の衝撃です。


政治スタンスは私とはまったく違いますが、


先生のmass sociaty・・・・大衆社会・・・後年先生は大量社会と訳されていました・・・・批判には舌鋒鋭いものがありました。先生を通じて、オルテガの本も読んだりしました。


加えて、知識人・・・常識、教養、歴史性のない専門家にたいする嫌悪も激しいものがありました。先生を通して、社会学、政治学、歴史学、経済学などの本に出会いました。


私も半世紀を生き、晩年のロールモデルを、偉大な先生方、芸術家の中に見出したいわけですが、そう思わせてくれる本当に偉大な先生でした。


悲しいですね。

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2018年1月20日 (土)

多重人格

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本日は、多重人格についてです。


多重人格というと、一般的には精神疾患の領域のように言われますが、逆に単一の人格の場合ですが、これも誇大妄想狂という精神疾患の領域に入る場合があります。例えば、俺はヒットラーだとか、ナポレオンだとかと言うパターンですね。


思うに、普通人々は、多重の人格(ペルソナと言ってもいいかもしれませんが)を、コントロールしているのではないかと感じます。コントロールできない場合に、それは、多重人格障害として精神疾患の領域に入るのだと感じます。


病院をやっていると・・・・他の自営業の方もそうだと思いますが・・・・・経済活動のフロントラインにいると、様々な階層(経済的、知的、社会的)の方との、生々しい出会いがあります。階層(級)意識は、20世紀の発見で、その意識はおそらく社会的な人格を作るわけですが、


診察室で、様々な人格と対峙する時、私は私の中に様々な彼の人格を発見します。人格同士が、呼応するんですね。


もしかしたらコミュニケーションを円滑に働かせる為の、私の本能的な作為かもしれませんが、不思議な感覚ですね。


2018年1月19日 (金)

薬剤の開発コスト

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本日は、薬剤(新薬)の開発コストについてのお話です。


獣医の使うお薬の多くが人用です。人体の新薬が出ると、(数年のラグがあって)、獣医業界で出回るのが通例です。


さて、その新薬ですが、以前、人間の学会で、医療コストに関する講演がありまして、そこでの発言によると、新薬が開発される確率は25000分の1で、1剤の開発コストの平均はは、約1000億だそうです。


すごいですよね。あのひと粒に、1000億が投じられているわけですから。如何に人間の知力が投下されているかがわかります。


製薬が、知的集約産業であることの表れですね。


たまに薬が石油から作られた工場製品の様に言われる人がいますが、えっと・・・・もともと石油も大自然のものですし(採掘しますからね)、工場で1000億分もこねくり回してつくってるわけじゃございませんので。


例えば・・・・あとは、こちらの私のコラムでどうぞ。


https://d-mypet.com/column-23.html

2018年1月17日 (水)

オカルト療法

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本日はオカルト療法について。


人間の医療と違い、自由診療の我々の業界には、オカルト療法がはびこっているわけですが、


そんなキワモノ療法をする病院には、その療法を、効果がないとわかっているけど、金儲けでやっている病院と、その療法を(悲しいかな)信じてやっている病院の2つタイプがあります。


前者は、飼い主にとって悲劇としか言いようがありませんが、後者はもう喜劇です。邪悪さは非難の対象ですが、屈託のない知識不足の場合は、不謹慎ですが笑いの対象です。


米国の初第大統領・ワシントンは、オカルト療法のしゃ血(悪い血を体から出せば病気が治る)が原因で死にました。200年前の出来事です。


今はそんな昔のオカルト療法は駆逐されていると考えがちですが、いやいや・・・・、逆に息を吹き返しています。


ご注意あれ!

2018年1月15日 (月)

人畜共通伝染病

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はっきり言って、聞いたことも無い人畜共通伝染病で、女性がお亡くなりになりました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180115-00000042-san-hlth


非常にかわいそうな出来事ですが、感染源と思われる猫にも罪はありません。


ところで、猫由来の感染症と言えば、真菌やノミなどの寄生虫、猫ひっかき病が有名ですが、平安貴族は、室内で猫に紐をつけて飼っていたそうですが、昔の人は、どうしてたんでしょうね?現代でさえ、人間にうつると大変なのに・・・。不思議ですね。

2018年1月13日 (土)

天上の批判は地上の批判

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先だって、日本の高等教育の失敗の話で、日本の科学論文数が減少しているという話を書きました。


臨床獣医師もアカデミアのはしくれですが、天上の批判は地上の批判です。わが業界の論文数の少なさは、嘆かわしい限りです。


企業時代、医療の世界を見てきましたが、医師は、少なくとも若い時代、修行時代は、数多くの論文を数多くの診察をしながら書きます。また大病院ともなると、積極的に臨床データを調査し、論文として発表します。


論文は、必ず先達の批判から入りますが、それをして初めて自分の専門分野における建ち位地を俯瞰できます。審査を通り、はれて論文として認められ、科学者としてtake offできるわけです。


医師の世界と比較し、わが業界はどうでしょうか。私の知り合いの獣医師で、論文を書いている人間は、2割程度です。本当に悲しい限りです。


動物病院は、都会では少々乱立気味です。また人口の減少、犬の飼育頭数の減少など、業界がシュリンクする気配もあります。そのような状況を反映してか、昨今、患者を増やす方法、病院を大きくする方法など、コンサルテーションの話が、専門雑誌に良く掲載されるようになりました。


自己利益の拡大をはかる話・・・・・ばかりです。


例えば、腫瘍の認定医とか、皮膚科の認定医とかいうのはこの10年、タケノコの様に増殖してますが、彼らがまともに論文発表をしないので、彼らがやる療法の何が最先端の治療なのかわからないことが非常に多いのです。


認定医が、単なる宣伝だけになっている・・・・自己利益の拡大ばかりやっている・・・・・そんななんちゃって専門家ばかりです。


忘れもしない、開業当時、老看護師の患者さんが、私に、医者のように論文かける獣医師になりなさい、あなた方自身が業界を進歩させなきゃ・・・・と言いました。


その通りだと思います。

2018年1月12日 (金)

癌の原因

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本日は医療情報です。


人間のデータですが、世界のがんの6%は糖尿病と肥満が原因であるとする研究が高級ジャーナル Lancet Diabetes Endocrinolに報告されました。


https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29195904


特に、肥満と肝臓がんと子宮内膜がんとの因果関係が指摘されてますね。


昨年の別の高級ジャーナルに、米国臨床腫瘍学会のステートメントとして、癌と飲酒の関係が報告されました。


多量飲酒で、大腸がん(1.44倍)、乳がん(1.61倍)、肝臓がん(2.07倍)、咽頭がん(2.65倍)、口腔がん(5.13倍)、食道がん(4.95倍)


飲酒、肥満、暴飲暴食(糖尿病)に対する教育は、家庭内でもしっかりすべきだと思います。

2018年1月11日 (木)

日本の高等教育 中国 雑感

北森ペット病院・北森です。当院ブログに来ていただき、感謝いたします。


日本の高等教育 中国 雑感です。


昨年、世界で最も権威のある科学雑誌ネイチャーに、日本の高等教育の失敗についての特集が組まれました。日本の大手マスコミはどう言うわけかスルーでしたが、ものすごいインパクトのある記事でした。もう日本からはイノベーシンは起こらないのではという未来予想でした。


高等教育の水準について計量化できる指標に科学論文数がありますが、人口あたりの論文点数は日本は先進国最低で35位だそうです。お隣韓国は、日本の1.7倍。総論文数も、世界一位はアメリカで、二位は中国、主要なジャーナルにおける論文数も、過去10年で日本は8%減少しましたが、中国は45%増やしました。


日本は、アジアにおける科学立国の存在基盤も危うくなり、リーダーシップを中国にとって代わられるかも知れません。


中国・・・・・中世、かの国は、世界ではじめてグローバリゼーションを起こした国です。東アジア一帯に漢字を広め、宋銭を広め・・・・・・歴史上、貴族を無くした初めての巨大な人民国家です(どうして中国が西欧化しなかったのかは謎ですが・・・・)。


今や、中国の人口は10数億ですが、19世紀の世界の人口分をハンドリングしているすごい国家です。


国境線の覇権争いも良いですが、実利の面の覇権争いに負けた場合の方が、国民国家日本の将来を危うくするような気がします。

2018年1月 9日 (火)

ジョブズの思い出 ②

北森ペット病院・北森です。当院ブログに来ていただき、感謝いたします。


昨日の続きです。


あの天才ジョブズにして、こと医療に関しては間違いを犯してしまったというお話でした。


悪貨は良貨を駆逐すると言いますが、(今はお金は電子データですから)、現代においては、悪薬は良薬を駆逐するですね。ジョブズは、主治医の話を無視したわけですから。


実は、私の顧客にも、オカルト療法に魅せられ、当院から去っていった方、希ですがいます。


オカルト療法に足元をすくわれない方法ですが、2つポイントがあります。


① 使用されている薬剤や療法が、知的がどうか


② 汎用されている療法かどうか


です。


①に関してですが、今、画期的な新薬を作ろうと思うと、多くの研究者が数十億円かけて10年以上は、かかります(あのiPSですらそうですからね)。それほど、薬と言うのは、多数の才能が一生をかけて作る知的集約物です。その辺に生えてる葉っぱなんかとは比べようがないものです。

自身が受ける治療が、如何に知的なものか、感じ取るべきです。


②に関してですが、医学は体系学です。空を飛ぶ方法に秘密が無いように、医学にも秘密はありません。どこどこの●●先生が秘儀を持っているなんて考えはやめた方が良いと思います。無論、外科手技や、医療機器の差は病院によってありますが、それこそが、皆さんが、調べるポイントですね。


お金に余裕があって、人より賢いと思っているあなた!、注意して下さいね。


(実はこのカテゴリー、時に医者や獣医にも当てはまるところが怖いんですよね)


(しかし、まともな医者や獣医は、特定の療法が科学的かどうか調べるすべをもっています。あえて記しませんが、それを知らない医者や獣医は、とても危ないですね。身内、友人関係に、一人でもそういう医療情報を識別できる人がいると違うんですけどね。)

2018年1月 8日 (月)

ジョブズの思い出 ①

北森ペット病院・北森です。当院ブログに来ていただき、感謝いたします。


年始のMacのセールで、iPad Proを購入した、北森です。本日は、天才でも、こと医療情報については無知と言う話です。


iPad・・・いうまでもなく、天才ジョブズの仕事です。彼は間違いなく、20世紀を代表する天才の一人ですね。


しかし、彼にして、晩年は、自身のがん治療に際し、主治医のいうことも聞かず、オカルト療法を盲信し、死期を早めたことは、医療人の間では良く知られた事実です。


最晩年は、自身のおかした間違いに気付き、標準療法を選択しましたが、時すでに遅かったですね。彼が若くして死んだことは、周知の事実です。


天才にして、こと医療に関しては、無知なのが、当時私にはちょっとした驚きでした。


最近、米国で、オカルト療法に足元をすくわれる患者の大規模調査があり、以下のグループが危険であると、報告されました。


① お金持ち(成功者)

② 高学歴


①に関してですが、どういうわけか、オカルト療法は高額と相場が決まってます。お金がないとそもそも手が届かないということでしょう。


②に関してですが、高学歴の方は、時として医療人よりも私の方が情報を知っている・・・・という錯覚をお持ちになります。獣医の現場でもよくあることですが、賢い人が、手順を踏まずに得た情報は、どう言うわけか、ジャンクな、世界の片隅の方に転がっている路傍の石のようなものが多いです。よくま~こんなアホ臭い情報を探したね!と、関心することもあります。


そういうわけで、①、②ともに、みごとにジョブズのバックグラウンドに当てはまりますね。


つづく

2018年1月 6日 (土)

獣医師の老い

北森ペット病院・北森です。当院ブログに来ていただき、感謝いたします。


今日は、獣医師の老いについてです。


老いは誰にでもきます。しかし、人間としての老いと、獣医師としての老いは、質が違う問題です。前者は、年齢と並行して進みますが、後者は、自然の時間の流れとは関係なく訪れます。


当然、今回は、後者についての話ですが、獣医師の老いは、


① 新しい技術の否定


② 最新統計学への無理解


から始まるというのが私の感想です。


15年前、ダックスのヘルニアが流行しかけた時、2人のビックネームの講演に行きました。1人の先生は、積極的にCT、MRIを導入して診察すべきだと言い、もう一方の先生は、獣医にCT、MRIはやり過ぎだと話しました。15年たって、一方の先生は未だにフロントランナーですが、後者の先生は、少なくとも学術の世界からは消えました。


20年前に、動物病院にレントゲンが導入され始めた時もそうでした、その後、エコー、内視鏡、CT、MRIと高度な医療技術が導入され始めると、必ずといっていいほど、そんなものは、やり過ぎだと言う人が、なんと業界内部の獣医師自身から出始めます。


最新技術の否定・・・・・そう言う話をする獣医師をみると、コンピューターについていけない老人を見るような哀れな気持ちになります。


それは獣医師の老いだと思います。


最近、世界的な獣医師が、やはり最新技術を否定するような講演を行う事がわかりました。非常に尊敬していただけに、複雑な気持ちですが、自身への戒めとして、彼の、私にとっての最終公演を聴きに行こうと思ってます。生前葬に行くような気持ちで・・・・・・。


②に関しては、いずれ書くことになるでしょう。


そうそう、私自分自身も病気をして病院にかかるわけですが、自身の主治医を探す時は、当然上記の様な事に注意を払って選んでいます。医院に入った瞬間、先生と対峙した時、あらゆるシーンで注意を払うと、案外、この先生は最新テクノロジーについていっているのかわかるものですよ。


よくあの先生は腕が良いとか悪いとか言いますが、老いてないのが前提だと思いますね。

2018年1月 5日 (金)

仕事初めです

北森ペット病院・北森です。当院ブログに来ていただき、感謝いたします。


ペットホテル、急患、定期的な点滴などの業務はありましたが、本日から仕事始めです。


さて今月の目だまですが(私自身の)


先だって、新発売される、現時点でおそらく世界最高峰と思われる解析心電図計を(おそらく日本で一番目に)注文いたしました。手元に届くのは、今月末あたりですが、非常に楽しみです。これで4台目です。


心電図の分野は、医療と比べ30年くらいは遅れています。先ごろ国内発売された心電図の成書も間違いが多いし、本当に困ったものです。と言う私も、まだまだですが、これを期に、今一度ブラッシュアップしたいです。


心電図計には、


・手術の時に使う、モニター(心電図計)

・不整脈を調べる解析心電図計


があります。


一般の方は、どちらの機械も、動物病院には当然のようにあると思われるかもしれませんが、


開業した20年前には、モニターを導入している病院は、おそらく2割くらいだったと思います。当時は、8割の病院は、モニター無しで手術をしていました。恐ろしい限りです。


今は、おそらく8割くらいの病院に普及したと思います。少なくとも、一般的な料金で手術を実施している病院には導入されていると思われます。


ただ、モニターを導入している病院でも、4割程度は、人間用(の転用メーカー)のモニターを騙されて購入して用いています。人と動物では、心拍数が時として3倍以上違いますから、正確なモニターにはなりません。悲しいですね。


解析心電図計は、20年前の開業時は、持っていると驚かれたものですが、今は、2~3割くらいの病院には普及していると思います。


今年もはじまりました。心電図の次は、眼科系の器具も導入しようと思います。


自身の世界の広がりが、ペットの福祉に繋がれば獣医師みよりにつきます。


さて、がんばるぞ!

2018年1月 3日 (水)

政治の話

北森ペット病院・北森です。当院ブログに来ていただき、感謝いたします。


今日は政治の話です。


新年早々、元旦から朝まで生テレビをみるくらいですから、TVの政治番組は好きです。NHKの日曜討論も欠かさず見ますし、一応政治心情もあります。


生物の生きてる意味って、種を永続させ続けることです。人間もそうですね。人間を地球上に(少なくとも地球があるうちは)存在させ続けることに意味があります。


さて、種が生存し続けるためには、多様性が必要と言うのが生物学の考え方です。


これに従えば、人間で言うと、さまざまな考えがあった方が、もしものシステムクラッシュの時に、人間社会自体が耐えられるということです。人が、様々な文化を持ち、民族や国家に分かれているのも、その一つだと思います。一つの国がポシャッテも、他の国が繁栄すればいいだけすから。


そういう意味で言えば、日本人と言う物語を背負った人々を如何に生き延びさせるかも同じで、なるべく多様な意見を包含するのが良いと思います。近隣の核開発国に対し、飴でも鞭でもどちらでも良いですし、逃げるという人がいても良いと思います。というか、そういう人がいないと困ります。


つまり政治的理念や信条(主義と言ってもよいですが)を思考する意味と、個別の集団や、人類を生存させる思考する意味はまったく別物だと思います。


そういう意味では、民主主義の良いところは、多数決にあるのではではなくて(多数の方があとから歴史的に見て正しかったとは限りませんからね)、少数意見も表出するところだと思います。


政治番組をみる意義って、


自分の意見や政治的信条を強化する為ではなくて、たとえ阿呆の発言に見えても、全体的なシステムクラッシュを避けるために必要な意見であると、面白がることだと思います。


加えて、どのような階層がその意見を支持しているのか分析をすることだと思います。それによって自身の階層を俯瞰できます。

さて朝生ですが、インテリってホント悲しい生き物ですね。お前の本音はコミュニケーションだろっ~て歌が昔ありましたが(誰も知らんか!)、御説ごもっとも、でもそんな怒ることないじゃんと思うわけです。

2018年1月 2日 (火)

キャリアアップのこつ

こんにちは。北森ペット病院・北森です。当院ブログに来て頂き、感謝致します。


今日は、私なりのキャリアアップのこつについて書きます。


私、質問魔として通ってまして、学会なんぞに行くと、大会場で1人でビックネームに質問するのが楽しみです。


大学時代に、学問的な自身の成長に悩んでいた時、恩師から『そういう時は、人の頭を使って考えるんだよ』と言われ、ハッとしました。


それまでは、考えるって、自分で1人でやることだと固くなに思ってましたが、そこから、私、明らかに意識が変わったんですね~。


学問的な停滞って、要するに、何がわかってないか、わからないという状態なんですよね。それを整理し、気づかせてくれるのは、私より先を歩く先生です。先生は、時として友人、知人達です。自分自身では案外気が付いてないんですよ。


研究所時代、周りには、東大、北大などの旧帝大のIQの高い人々が沢山いましたが、そのような人達の中で仕事をすると、明らかに自身も飛躍するのがわかりました。それは、今までの延長ではなく、非連続性の新しい次元へのステップアップ・・・・パラダイムシフトのような感覚です。そのような人と話していると、毎日問いが立てられ、回答が用意されるんです。


楽しくてしょうがない毎日でした。


今日は、昨日の自分ではないという感覚ですね。


獣医師になってもそのやり方はかわりません。技術論にしても、(一応病院とはいえ自営業ですから)経営論にしても、まだ獲得してなことだらけです。


50年生きてきて思うのは、『私は知ってる』というマインドは、終わりの始まりということです。逆に、『私は知らない』という言葉を適切な状況で出し続ければ、案外道は開けるのでないでしょうか。


事実、私の周りの楽しく仕事している人たちは、良く質問してきますしね。


(この歳になると、先端の研究をしている若い学生さんと生命現象の話するのが楽しくてしょうがありません。若い人たちは、私の大切な先生です。)

2018年1月 1日 (月)

謹賀新年

明けましておめでとうございます。


北森ペット病院・北森です。当院ブログに来ていただき、感謝いたします。


一年の計は元旦にありですね。


気持ちも新たに、仕事、労働の意味を考える私です。


人間が人間として客観的に実現されるのは、労働によって、ただ労働によってだけである。・・・・・・労働することによって人間は精神を体現し、歴史的な世界となり、客観化された歴史となるのである。


大好きな、ヘーゲルの言葉です。


これは、労働が、単にお金を稼ぐことでもでもなく、芸術家のように自己表現でもなく、労働は、労働することによってしかその労働の意味を体感できない、ということだと思います。


そして、労働することによって、私たちは、金持ちになるんじゃくて、他者との関係性が広がり、世界の意味を知る、ということだと思います。


力持ちの人が、人より少し重たい荷物を運んで感謝されるように。頭の良い人が、例えば新薬をして喜ばれるように、


自身の持ちうる何かを、人より少し多く使い働く、そして、その労働の成果を享受してくれる人々がいて・・・・さらにそれが事後的に意識される時、労働のパフォーマンスが上がり、モチベーションが維持されるのだと思います。


お互い、世のため人のため、任務だと思って、今年もがんばりましょうね!

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