獣医師の老い
北森ペット病院・北森です。当院ブログに来ていただき、感謝いたします。
今日は、獣医師の老いについてです。
老いは誰にでもきます。しかし、人間としての老いと、獣医師としての老いは、質が違う問題です。前者は、年齢と並行して進みますが、後者は、自然の時間の流れとは関係なく訪れます。
当然、今回は、後者についての話ですが、獣医師の老いは、
① 新しい技術の否定
② 最新統計学への無理解
から始まるというのが私の感想です。
15年前、ダックスのヘルニアが流行しかけた時、2人のビックネームの講演に行きました。1人の先生は、積極的にCT、MRIを導入して診察すべきだと言い、もう一方の先生は、獣医にCT、MRIはやり過ぎだと話しました。15年たって、一方の先生は未だにフロントランナーですが、後者の先生は、少なくとも学術の世界からは消えました。
20年前に、動物病院にレントゲンが導入され始めた時もそうでした、その後、エコー、内視鏡、CT、MRIと高度な医療技術が導入され始めると、必ずといっていいほど、そんなものは、やり過ぎだと言う人が、なんと業界内部の獣医師自身から出始めます。
最新技術の否定・・・・・そう言う話をする獣医師をみると、コンピューターについていけない老人を見るような哀れな気持ちになります。
それは獣医師の老いだと思います。
最近、世界的な獣医師が、やはり最新技術を否定するような講演を行う事がわかりました。非常に尊敬していただけに、複雑な気持ちですが、自身への戒めとして、彼の、私にとっての最終公演を聴きに行こうと思ってます。生前葬に行くような気持ちで・・・・・・。
②に関しては、いずれ書くことになるでしょう。
そうそう、私自分自身も病気をして病院にかかるわけですが、自身の主治医を探す時は、当然上記の様な事に注意を払って選んでいます。医院に入った瞬間、先生と対峙した時、あらゆるシーンで注意を払うと、案外、この先生は最新テクノロジーについていっているのかわかるものですよ。
よくあの先生は腕が良いとか悪いとか言いますが、老いてないのが前提だと思いますね。
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