癌の治療Ⅱ (獣医療) 進歩と進化
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
今日は、癌の治療についてのⅡ、獣医療についてです。
先日、ヒトで考えられている癌の最新の治療戦略を4つ上げましたが、残念ながら、獣医療では、どの戦略も、考慮されていません。
理由ですが、③、④に関しては、ヒトでも未だ未知の領域ですからしょうがない面があります。①に関しては、遺伝子検査をする機械自体が高額で、どこかの大学が積極的に導入して、先陣を切らないと無理でしょう。②に関しては、薬剤自体が数百万とこれも超高額医療ですので、獣医療に使用する現実味がないです。
というわけで、獣医療では、戦略的な最新の癌治療は行われていません。
しかし、既存の制癌剤(の組み合わせ)、放射線療法、術式など、戦術面は、20年前と比べるとかなり進化しています。
進化と言うのは、進歩とは違います。
進化という言葉は、進化論で有名になりました。例えば進化で有名な、ガラパゴス諸島の動物達は、進歩したわけではありません。環境に適応するように進化したのです。
21世紀、遺伝学、免疫学は目覚ましい進歩を遂げました。しかし、そこから発展した癌に関する医療技術は、これまでのものと違い、非常に高額な技術になってしまいました。
癌に関する獣医療は、今後、進化にとどまるのか、進歩していくのか、岐路に立っています。
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