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北森ペット病院


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2018年2月 6日 (火)

患者さんの不満④ 信頼感

北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。


患者さんの不満についての④・・・・・信頼感についてです。


患者の不満には、『医師の説明(不足)』が一番関係しているというデータをお話しし、言葉を使うことの難しさと、それをお互いに乗り越える方法(インフォームドコンセント)について書きました。


今回は、それに加えて、(獣)医療現場に重要な、信頼感について書きます。飼い主側の(獣)医師に対する信頼感です。


通常の商取引と違い、医療行為は、消費ではありません。消費は、1000円を払い、1000円の商品を購入し、それが妥当な取引であると思えばそこで終了です。しかし医療行為は、1000円のお薬を購入しても、効果がある場合と、無い場合があります。効果が無かったからと言って、返金するということはありません。効果が無かったことも、有益な情報として、次なる医療行為へ繋がるからです。


信頼感があれば、予期せぬ状況が起こっても、それが予見不可能だったことを合理的に納得でき、次の治療ステップに(獣)医師と協力して進めます。逆に、信頼感がないと、その時点では、言葉では納得していた治療が、功を奏さない時に、関係は極端に悪化します。


先回お話した、言葉を使う事の難しさの認識も、それを乗り越えるためのインフォームドコンセントも、飼い主側の(獣)医師に対する信頼感なくして決して成り立ちません。


さて、その信頼感ですが、どのように形成されるのでしょうか?


齢を重ね、私も患者側に立つこともしばしばですが、私の経験では、直感が案外重要かもしれません。


合理主義者の私が直感と言うのも変なので、経験、知識に加え、言葉にならない五感を使った感覚の総合知と言い換えても良いのですが・・・、長いので、やっぱり直感と言っておきます。


例えば、普段、私たちは、案外直感を利用して生活してませんか?このWebサイトは怪しいとか、このTV番組は信用できるとか、初めて行った美容院がなんか居心地良いとか、このブランドショップの店員は肌にに合わないとか・・・・・。


様々な情報(噂、紹介、HP)を頭に入れて、病院へ行きます。病院の雰囲気、看護師の会話などを身体で感知します、いよいよ担当医と対峙します。そこで、あなたの直感は、どう反応するか。


常に標準治療を実施する良い(獣)医師に出会ったとしても、飼い主側にそれを認識する能力・・・(例えば)直感かもしれません・・・・・がなければ、信頼感は成立しません。


信頼感を得る努力は当然(獣)医師側に必要ですが、それは、もしかしたら、飼い主側に立ちあがった直感による信頼感を、補強する材料に過ぎないかもしれません。


そうなると、あなた自身の能力が、あなたにとって良い獣医師に出会えるために重要なファクターかもしれません。


つづく

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