ストレスに関するお話・番外編
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
本日は、先日のストレスについてのお話の番外編です。
そもそもストレスとはなんでしょうか?
様々な定義があるようですが、体や精神に対する負荷という考えが一般的だと思います。
そして負荷に対する、神経系の反応が、ストレス応答反応です。動物は、この応答反応でストレスに対処しようとします。
さて、人間は太古の昔から、強烈なストレス(敵や、肉食獣に出会う)下に置かれると、自身の生存を守るために、心臓の拍動数を上げ、筋肉の血管を開きます。これは、戦うか、逃げるかの行動をとるために、筋肉の血液量を増加させて筋肉を最大限動かす目的のストレス応答反応です。
この場合の反応は、交感神経が興奮して、カテコラミンという物質が放出されて起こるのですが、ごく稀に、ストレスの度合いが高すぎて、カテコラミンが過量に放出されると、心臓の収縮が異常をきたし死亡することがあります。その時の心臓の形から、タコつぼ型心筋症と呼ばれています。
現代では先進国においては、敵や野生動物に襲われるなんて事はほぼないでしょうが、例えば肉親の死、失恋(別離)のような場合に、タコつぼ型心筋症が発生することが知られています。
先だって、たまたまこのタコつぼ型心筋症の論文を読んでいると、恐ろしいことに、喜ばしい事でも、あまりにその度合いが強いと、この疾患が発生することが報告されていました。
サプライズパーティー、子供の結婚式、スポーツ観戦、孫の誕生、大きな賭けごとの当選・・・・などです。
(そう言えば、知り合いの親御さんも結婚式で倒れました)
不快な事ばかりではなく、喜ばしい事でも、その程度があまりに大きければ、心臓にとっては、重大な影響を与えるということで、それはストレスと呼ぶのだと思います。
生物って本当に不思議ですね。
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