ふふふ・導入
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
本日、おそらく現段階で世界最高峰レベルの動物用解析型心電計を、千葉県第一号で納入しました。まだ国内の大学病院にも入っていないすぐれモノです。
解析心電計とは、不整脈を評価する機械です。
これまでのものと違い、心拍数400まで解析できるスペックです。ウサギ、フェレットの解析も可能ということですね。
国内の動物病院で、解析心電計が入っている病院は、まだまだ2割程度だと推定されます。ホルター心電計になると数%くらいですが、当院には研究テーマの為に3台保持しています。獣医の心電図の世界は、はっきり言って、人医と比べると、高校生レベルですが、なんとか頑張りたいところです。
経験的には、解析心電計は、てんかん発作と、心臓病由来(不整脈)の発作を区別し、誤診を無くす初歩の手段として必要な医療機器だと思います。10年以上前に、学会で、てんかん発作と診断された症例のうち、実は不整脈が原因だった症例が3割程度あったとの報告がありました。
私も一度、どうみても痙攣発作だと思っていた症例で、高度ブロック(不整脈)が発生していたイヌの転院症例を経験したことがあります。ヒトですと数秒脈が飛べば失神でしょうが、その子は、15秒くらい脈が飛んで、その間、意識はあり、でも痙攣してました(失神しないから最初わかりませんでした)。
ペットの不整脈疾患の多くは、治療できないか、できたとしてもペースメーカーなどの高額医療になるので、なかなか治療に結びつきませんが、獣医療の場合は、原因がはっきりするだけでも、(誤診を防ぐ意味もありますが)、納得して天寿を全うさせることができます。
一般的な日本車程度はしますが、もう少し、国内動物病院に導入が進んでも良い機器だと思いますね。
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