動物病院の手術料金設定に関わる●●
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
本日は、動物病院の手術料金設定についてです。
獣医師法は、院内以外での治療(予防は別)の料金表示を禁止しています。それは、手術に関しても同様で、同じ名前の手術でも、どのような検査手順を踏んで、どのような高度な医療器具で行ったかによって、料金がまったく違うからです。飼主の誤解を防ぎ、ひいては飼主自身の権利保護のための禁止条項なのです。
さて、手術料金ですが、どこまで術前検査をするかによって、料金がまったく違ってくることは、去勢・避妊手術を経験された方の間では、そろそろ知れ渡っている事実ですよね。
しかし、術前検査以外に、料金設定に関わる、非常に重要な項目が、動物病院の手術にはあります。
それは、何人の獣医師が手術に関わっているかという事です。
人の場合の手術を考えてみましょう。術者は当然医師ですが、他に麻酔医(医師とは別資格で更に高度な研鑽が要求されます)、助手の医師、看護師(国家資格で医療行為が可能な人達)がチームを組んで行います。
獣医の場合を考えてみましょう。多くの動物病院は、1人の獣医師で手術を行います。AHTは国家資格ではありませんから、看護師と違い、医療行為が可能か、法律的にも微妙です。
(AHTは、獣医師の管理下で、保定、検温、体重測定、検便、血液検査は実施できますが、注射に関しては法的に微妙です。AHTが狂犬病ワクチン接種してるの見たことありますか? ないと思います。ちなみに国家資格の看護師はインフルエンザワクチンは接種可能です。)
さて、獣医師1人で手術する場合、術中にトラブルがあったら、どうするのでしょうか?繰り返しますが、看護師と違い、AHTの医療行為は微妙です。特に、緊急時に必要性の高い静脈注射に関しては、無理だと思います。血圧、心拍数が急激に下がって、術者が、グローブ脱いで、薬剤出して、・・・・間に合いますか?
獣医師が、何人手術に関わるのか・・・・・関われる病院なのか・・・・・これは、術前検査以上に、非常に分かりやすい手術料金に反映される項目なのです。
獣医師2人以上が関わった手術で、平均的な手術料金であったならば、あなたは非常にラッキーな飼い主だと思いますよ。
ちなみに当院の手術の特徴は、下記を参照して下さい。
http://kitamori.in.coocan.jp/anzennasyujyutu.html
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