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北森ペット病院


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2018年3月17日 (土)

衝撃です(猫に咬まれて失明)

北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。


本日は、衝撃的なお話です。猫に手を咬まれたことが事が原因で起こった、失明のお話です(当然ヒトです)。


しかも、咬まれてから5~6時間で失明したという衝撃的な症例です。

先だっての千葉県下で発生した獣医師のブルセラ症のように、獣医師は人畜共通感染症に罹患する可能性が大なので、日々、様々な情報を調査しています。今回のお話は、国内屈指の某医科大学の医師のカンファレンスでとりあげられていた症例報告です(なので、ネットでは検索できません)。

症例ですが、
70代の男性(内科的な既往歴はありません)が、猫に手を噛まれ、放置していたら発熱、手の腫脹、目が見えなくなって救急搬送されたそうです。


私は、すぐに猫ひっかき病を想像したのですが、


https://www.bayer-pet.jp/pet/library/disease/cat-scratch.html


猫ひっかき病は、ノミが媒介するBartonella henselase菌が原因で起こり、咬まれたり、引っかかれたりして、数日後から発症し、外傷場所や、近くのリンパが腫れる疾患です。猫に咬まれないようにすることも重要ですが、猫へのノミ寄生の予防が大切な感染予防になります。


しかし、今回の症例の原因菌は、まったく別の菌・・・Pasturella multocidaでした。こちらは、猫の常在菌です。



私もそうですが、カンファレンスに参加した医師達も非常に驚いたようです。通常の猫ひっかき病ではないし、繰り返しますが、咬まれてから5~6時間で失明ですからね。


改めて、人畜共通感染症の恐怖を思い知らされました。


皆さん、


・野良猫保護の際は注意しましょう
・猫に咬まれないようにしましょう
・咬まれたら、直ちに患部を水で流してください!
・患部に腫れが出てきたら、病院へ直行

そして、人畜共通感染症に対する意識を常に忘れないように。


ですね。


それにしても、学内のカンファレンスでの症例報告を、情報として開示する医師達の姿勢はすごいですね。症例発表に対する他の医師達の質問なども公開されており、私もとても参考になります。現在進行中の自分の担当症例の経過と治療(方針)を発表して、他の医師達と評価し合う・・・・他のプロフェッショナルの眼が入ることがどれほど厳しいことか、想像できますが・・・・・獣医業界とはえらい違いですね(とほほ)。


北森ペット病院
http://kitamori.in.coocan.jp/

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