インフォームドコンセントの難しさ・キット診断について①
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
本日は、インフォームドコンセントの難しさ・キット診断についてです。キットの検査結果の解釈が如何に難しいか、獣医師のほとんどが誤解してる問題です。
・キットで陽性だったときの実際の陽性率(陽性的中率)ってわかりますか?
・例えばインフルエンザキットって、夏場と冬場で実際の陽性的中率が違うって知ってますか?
・癌マーカー(キット)陽性でも、実際の癌陽性は数%(陽性的中率)程度って知ってますか?
もし、これらのことが意味不明ならば、以下をしっかりお読みください。
キーワードは
・有病率(ある集団の病気になっている率)
・陽性的中率(キット陽性が本当の陽性の確率)
・キット感度(陽性を陽性と診断できる性能)
・キット特異性(陰性を陰性と診断できる性能)
です。
まず
キットの感度90%とは、100例の陽性症例のうち90例を陽性と診断できるキットです。
キットの特異性90%とは、100例の陰性症例のうち90例を陰性と診断できるキットです。
キットの陽性的中率とは、あるキットを使って、陽性と出た場合に、その後診断で、実際の陽性となる確率です。よく、感度と陽性的中率を混同している獣医師がいますが、感度は陽性と確認された症例に対する検出割合で、陽性的中率とは、陰性なのに間違って陽性と判断された症例も含んだ上での検出率です。
さて、この陽性的中率を、イメージしやすい様に、皆さんおなじみの、インフルエンザキットで説明します。
夏場と冬場に使用した場合の陽性的中率を比較してみます。
まったく違うんですよ~。
つづく
その②
http://kitamori.air-nifty.com/blog/2018/03/post-81a5.html
その③
http://kitamori.air-nifty.com/blog/2018/03/post-d6fc.html
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