病院自慢②つづき
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
今日は、先日の病院自慢の②、つづきです。
当院では、獣医師が会計をする・・・その効用について、先回書きました。それが、命を救ったと言う症例をひとつ紹介したいと思います。
どの獣医師も、毎日何症例も診察していると、何度か、ひゃっとしたことがあると思いますが、そんな話です。
それは、毎年、季節の変わり目に膀胱炎になるワンちゃんの症例でした。膀胱炎の症状は、血尿が出るという飼い主にも分かりやすいものです。そのワンちゃん、1か月前に膀胱炎になって、再発した様子でした。その年、3回目の再発でした。
飼い主 『先生、またこの子、膀胱炎の症状が出てます。元気はあるんですが。』
私 『いつもの血尿、頻尿ですね?』
飼い主 『そうです』
元気、食欲の有無を確認して、1か月前に膀胱のエコー、血液検査を済ませていますから、お薬で様子をみましょうという話になりました。よくあるシーンですね。
で、会計を済ませて、飼い主さんが一言
(会計後の飼い主さんって、話し方や表情から変わる方が多いという話を先回しましたが、その方もそのような方でした。診察中、緊張させているとしたらすみません。)
『先生、今回はおしっこの回数がないのは、膀胱炎が軽いからですか?』
凍りつきました。
え? おしっこの回数少ない? だって、さっき頻尿だって言いましたよね(心の中の私の言葉です)。
後から聞くと・・・・えっと、ひんにょう、ヒンニョウ・・・・・・あ、貧尿ね・・・・だったそうです。頻尿を頭の中で貧尿と勘違いして(もちろんそんな言葉はありませんが)、おしっこの回数が少ないという意味に捉えていたそうです。
これはタダごとじゃないと思い、診察室に戻って頂き、血液検査をすると、溶血が認められました。初期の溶血性貧血だったのです(死亡率の高い、血液が壊れる免疫病)。
あやうく誤診するところでした。
あのまま、帰していたら・・・と思うと、ほんとゾッとします。
事務の女性はいますが、やはり会計仕事は、対面で、自分でやらないと気が済まない、そんな病院です。
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