免疫について② 風邪をひきやすい体質とは
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
本日は、免疫についてお話です。その②です。
病気(感染症)にかかりやすい個体と、かかりにくい個体の差について書きます(風邪や下痢を起こしやすい人とそうでない方の差ですね)。
大体、以下の様に説明されています。
① 粘膜、皮膚バリア機能の差
皮膚、粘膜が乾燥しやすい人は、外敵侵入抑制機能としてのバリア機能の低下がおこり、細菌、ウイルスなどの感染を受けやすくなります。
② 免疫細胞の数が低下する要因の多い人
ストレスの過多。ストレスがかかると交感神経が有意になり、体内からステロイドホルモンが放出されます。ステロイドホルモンは免疫系を抑制します。
年齢要因。高齢者は免疫細胞自体が減少しています。これは胸腺という組織で作られるリンパ球の数が減少するからです。
ストレスフルな人や高齢者は、免疫細胞自体の数が減少して、感染症に対して弱くなります。
③ 獲得免疫能の差
色々な感染症を経験した方、ワクチン接種の多い方は、獲得した免疫能が高いので、抵抗力が強い。
④ MHC分子の多様性の差
少々難しいですが、じっくりとお読みください。とても重要な部分です。いわゆる体質に関わる部分です。
体に入ってきたバイ菌は、ある細胞に食べられ、細かな分子に分解されます。分解された分子は、その細胞の細胞膜表面のMHCに運ばれ、免疫細胞のリンパ球に情報を伝えます。
しかし、MHCは個体によって多様性があり、分解された分子がMHCにうまく乗っからない個体があります。
そのような個体では、免疫細胞のリンパ球にうまく情報が伝わらないので、感染が成立します。
以上が、いわゆる風邪をよくひく人とひかない人の差です。
犬猫は、あまり風邪をひきませんが、私の想像だと、人間と違って、言葉を発しない分、口を開けませんし、口呼吸もしません。ゆえに上部気道の乾燥を起こしずらいので、あまり風邪をひかないのだと思います。小さい時は犬猫でも鳴きますから、気道粘膜からの感染症を起こしやすいのだと思います。
↑
これ、獣医学上の大発見だ~と、昔、院長(嫁)に言ったら、動物は、仕事がないからストレスがかからないからじゃないと言われました。
さて、皆さん、どう思いますか?
北森ペット病院
http://kitamori.in.coocan.jp/
« 免疫について① | トップページ | 大谷選手 欲望と欲求 »
「癌・免疫」カテゴリの記事
- 昨日の続き・・・歴史は繰り返される・・・・・・(2019.09.17)
- 物事は複雑に考えましょう(2019.09.16)
- 魚油、ビタミンD、癌・心疾患予防せず(2018.11.20)
- ノーベル賞 PD-1(2018.10.03)
- 部位別がん生存率(人)(2018.09.23)