誤解が多い犬のオモチャ・オヤツ
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
本日は、誤解が多い、犬のオモチャ・オヤツがもたらす疾患について書きます。硬いオモチャやオヤツが原因の疾患です。
その前に、
普段当ブログでは、症例紹介の様な事はしないのが基本姿勢です。病院のHPで、疾患自体にスポットをあてて、皆さんの為に、疾患の説明と言う意味あいで個々の症例を併せて掲載することはあります。
しかし、ブログで、今日こんな症例が来た・手術をしたったというのは、症例自体にスポットがあたり、腕自慢の様なアホ臭い意味合いになる事がありますから、当院では行わないのが基本です。そのような事が好きならば、ブログではなく、ぜひプロの前で、学会、論文で症例紹介して下さいと思います(それが出来ないのでアマチュアの前で紹介するのでしょうが・・・・)。
さて、とは言うものの、あまりにも症例が多いので、ブログを通じて、注意喚起と言う意味で症例紹介したいと思います。
硬いもの(オヤツ、オモチャ)を与えたが故に起こる、歯の疾患、根尖膿瘍・・・そこからの顎の骨の骨融解です。
ワンちゃんに、硬いもの与えてませんか?
多くのケースの場合、犬の眼の下が急に腫れたという訴えで来院されます。
稀に、その状態を放置して、皮膚に穴があいてから来院されることもあります。
口腔内を見て、汚れが多い場合は、歯石・歯槽膿漏・歯肉炎からの細菌感染が原因ですが、
とても多いのが、硬いオヤツ・オモチャによる歯の破折(歯が欠けること)です。
折れた箇所から細菌感染して、歯の根っこが腐っておこるのが根尖膿瘍です。骨融解がおこり、皮膚が腫れたり、そこが破裂して膿がでるのです。
根尖膿瘍の骨融解のCT画像です。
当院もそうですが、通常の病院には歯科専門のレントゲンやCTもないので、歯の根元の状態を検査するのは一般的ではありません。
治療は、根尖膿瘍を起こしている歯の抜歯になりますが、稀に、既に歯の根元が腐ってバラバラになり、抜歯したつもりがわずかに破片が残り、それが原因で膿瘍が治らないこともあったり、下の歯の場合は、顎の骨が薄いので抜歯時に骨折する可能性があったり、特に小型犬は治療に苦労することがあります。
犬が骨を咥えて遊ぶイメージがありますが、人間の歯と同じで、硬いものを噛むと、歯は欠けますから、本当に注意して下さいね。
●当院歯科・歯石のページ
http://kitamori.in.coocan.jp/siseki.html
北森ペット病院(千葉県茂原市)
http://kitamori.in.coocan.jp/
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