仔猫を保護した場合
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
時節柄か、保護したばかりの仔猫が急変して運ばれてくるケースが目立ちます。
昨日まで元気だったのに・・・・・とか、朝は元気だったのに仕事から帰ったら・・・・・・と言う状況が殆どです。
病院に運ばれてきた時は、低血糖、低体温でフラフラで、救命率も、状況にもよりますが100%ではありません。
そのような状況にならないためのコツですが、子猫を保護した場合、
●3時間程度おきに、栄養を与える(お腹いっぱいになるまで)。
歯が生えていれば高栄養の離乳食、目が開いていない・歯が生えていなければ乳。お腹がポンポコリンになるのが普通です。
●保温に注意。
夏期でも保温は大切です。飼育ケージにタオルを入れて、寒かったらくるまれるようにすること
●遊ばせない。
とにかく栄養を与えて、眠らせるようにすることです。エネルギーはすぐに枯渇します。特に小さなお子さんがいる家庭は、子供がかまわないように注視して下さい。
●お尻を刺激して、俳尿、俳便をこまめにさせること
●心配な場合は、保護後直ちに病院へ行って指導を受ける
仔猫が運ばれてきた場合は、首の静脈から直ちに注射して血糖とビタミンを注入し、必要があれば2日程度の静脈点滴です。
昨日の症例です(飼い主さんの同意は得ています)。右前肢から点滴しています。
近年、生体の販売規制が厳しくなって、ペットショップで2か月齢以下の仔をみることはなくなりました。
それはそれで良い事ですが、臍の尾が付いた生まれたばかりの仔の面倒をみて成長を楽しむのも、ペットの大五味ですね。そう言う意味では、保護した仔猫は鉄板です。
仔猫ほど可愛い動物はいないんじゃないかと思います。小さな声で書いておきますが、自分の赤ちゃんが生まれた時も、可愛さでは猫が上だと思いましたからね。
写真は、もう亡くなったうちの仔
北森ペット病院(千葉県茂原市)
http://kitamori.in.coocan.jp/
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