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北森ペット病院


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2018年9月23日 (日)

部位別がん生存率(人)

北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。




国立がんセンターが、国内拠点病院における部位別のがん生存率(3年)の最新版を公表しましたね。



https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0912/index.html




実測生存率(ガンによる死亡以外の全死亡を含めた生存率)と、相対生存率(ガンによる死亡)を、部位別に報告しています。

数十万人のデータですから、まさにインフォームに使えますね。




このようなデータを見ると、いつも思うのですが、




犬猫は、平均13~15年しか寿命がありません。




犬猫の1年は人の5~7年に相当すると言います。




となると、人で言う3年生存率は、犬猫の数ヶ月生存率です。




ガンの治療を考えたとき、




手術の場合は、部位によっては比較的、体への負担も少なく、また根治できるかもしれませんので、必要に応じてぜひトライする治療だと思います。




しかし、制癌剤を用いた化学療法は、完治しませんし、それどころかQOLを下げる危険性があり、また非常に高額になる場合があります。





比較的、制癌剤が効果を発揮しやすい犬のある種のリンパ腫でさえ、平均1年の延命効果ですから、




やはり一般的なガンに対する化学療法は、よくて数ヶ月程度の延命のような感触があります。ネコは、特にそうですね。




(逆に言えば、犬猫で数ヶ月の延命は、ヒトの数年・・・・・とも言えるのですが・・・・・・)





なにが言いたいのかと言うと

飼い主に、制癌剤の明確な効果を示すデータが、ほとんど無いということなのです(数ヶ月差をデータで示すのはかなり難しいからです)。





(それは、更に極端な事例でイメージしていただければ良いのですが、僅か2年程度の寿命のハムスターで、制癌剤の延命効果を調べるのがほぼ無理なのと同じ理屈です。)




・寿命が短いので、制癌剤の差が出にくい(明確なデータが提示できない場合がある)


・QOLを下げる可能性がある


・非常に高額になる可能性がある



このような理由から、犬猫のガンの治療・・・特に化学療法・・・・に関しては、人間のようにはいかないと認識してください。



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