インフォームドコンセントって難しい④(主観と客観のずれ)
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
今日は、インフォームドコンセントについての話、その④です。
主観と客観は、常に一致しないというお話です。
例えば、
この全身麻酔のリスクは0.1%・・・1000件に1件は死亡する可能性があるという場合、
と、
この全身麻酔は、1000件に999件は安全です、
といった場合、当然同じ確率ですが、前者の言い方の方が、人はより恐れるという研究があります。
このような確率に対する、主観と客観のずれを、統計学的に研究した方々がいます。
それによると、人々は、30~40%の確率のものでは、主観と客観が一致しやすいとのことです(当たり前ですよね)。
おそらく医療現場では、手術に際しては、前者の言い方でインフォームするのが一般的ですが、
それは、明らかに、もし重大事故になったときの事を考えて、数値より(客観より)、よりシビアに患者に考えて欲しいからです。もしものときの医療者側のリスク回避と考えても良いかもしれません。
1000件に1件は死亡するという手術で、死亡した場合と
1000件に999件は安全ですという手術で、死亡した場合、
同じ事なのですが、印象が違いますよね!!!!
インフォームドコンセントって、誰の為にあって、何を目的にして、何が分かり合えないのか・・・・・・・・・・
難しいでしょ?
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