インフォームドコンセントって難しい①(フレーミング効果)
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
今日は、インフォームドコンセントについての話。
世の中、インフォームドコンセントという言葉が流行りですが、99%の飼い主、獣医師がこの言葉の難しさを理解していないね。
面白いデータがあります。
人は、必ずしも常に合理的な判断はできないという実験です。
ある手術を行うかどうかのインフォームドコンセントで、
① 術後1ヶ月の生存率は90%
② 術後1ヶ月の死亡率は10%
と、①と②の説明をした時
①では約80%の方が同意して、②では50%の方しか同意しなかったという有名なデータがあります。
当然ながら①と②は、数学的には同じ説明ですが、人は、言い方を変えると、判断が変わるという有名なデータで、経済学用語でフレーミング効果といいます。
私たちの主観的確率把握は、客観的な確率と、しばしばずれるということです。経済学的に言えば、人は常に合理的な判断をするわけではないということです。
これが、インフォームドコンセントを難しくしている原因の一つで、このようなことに関心を払わない人々は、ある時、信頼していた先生(飼い主)に対し、疑心暗鬼の心が芽生えてきます。
インフォームドコンセントが大切・・・なんて看板を上げているようでは子供で、インフォームドコンセントが如何に難しいか、常に投げかける態度が重要ですね。
つづく
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