ほんと獣医業界ってこのままでは駄目だと思う(はぁ~)
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
今日は、はぁ~っ・・・・て話です。
現在、私は、
・医学部で学んだ専門医
・医学部で研究している専門医
・医学部と共同研究している研究所
と、4者でチームを組んで、ある循環器の臨床研究をしています。
医学部、医学の世界・・・・・
毎朝起きて、PODCASTで、海外の超一流のジャーナル(論文)を原語で聴く。
専門家間では、論文を基本に話を進めます。●●のデータ××だけど、見た? すごいよね!私の症例も、△△だと思うから、ぜひ生かそうと思う。新薬も、あのデータの■■は、★★って見方の方が、正しいよね。
私の専門は心臓ですが、今、そのような関係性で、医学部系の研究者達と仕事してます。
私も、元人体の製薬の研究者でしたので、つながりから、医学部の見識の高さは承知していますが、
それにひきかえ、
わが業界・・・・・
20年前に業界に入った時と、今も、わが業界はまったく状況変わらず、ひどいものです。
論文も読まず、読めず、書けず、オカルト療法の跋扈、なんちゃって高度医療。
獣医師の友人・知人は全国に30人程度いますが、このうち論文を読める、書ける獣医師は、私を含め5~6名です。
情けない話です。
皆さん、獣医師が常日頃、論文読んでると思ったら、大きな間違いですよ。
90%以上の獣医師は、獣医の雑誌、週刊誌は読みますが、論文は読みませんし、当然、書けません。
分かりやすく言うと、獣医系の科学論文、科学雑誌、週刊誌とあったら、
科学雑誌(投稿既定のあるいわゆる商業学術雑誌)、週刊誌(既定の無いなんちゃって学術雑誌)を読むのは皆さん得意ですが、科学論文は読めません。
世には、専門医、認定医なるものが流行りですが、一部の、例えば皮膚科の専門医は、論文をクリアしないとなれない見識の高い称号ですが、認定医なんて、教科書読んで試験に合格すればなれます。決して学術的専門性を担保するものではありません。
その証左は、多くの認定医は、論文を読みませんし、書けません。
象徴的にいうと、専門家とは、初めての症例に、楔を打てる人(自分の名前を付ける自信のある人)です。論文も見たことがない、書いたことがない認定医に、そのようなことできるでしょうか?できないとしたら、認定医、専門医って何?です。
最近もあったのですが、
ある雑誌に、最先端の治療法として掲載されていた方法をやっている認定医がいました。日本の商業誌に2013年ごろ取り上げられた療法。現在、論文では完全に否定されているのに、高額のそのなんちゃって療法を彼はやっています。
効果が無い療法があって、
それを信じずに患者に勧めれば詐欺ですが、信じて勧めたら漫才です。
悲劇と喜劇は、どちらも、このように生まれます。
何度も書いてますが、(獣)医学の情報の価値は、
・数報の論文をレビューした論文
・論文
・商業誌
・学会報告
の順です。
頼むから、あと20%くらい、まともな仲間が増えることを期待します。
若い方先生方に、本当に本当に期待します。
最近届いた製薬会社主催の講演会の案内・・・・・業界では超有名な教授ですが、昨年、大間違いの専門書を出しているのに、悦に入ってます・・・・・その間違いを、医学部系の人間が見ればすぐにわかるのですが、獣医業界は、気がつかない。
これは喜劇に属します。
常にクリティカルに薬剤をチョイスしなければいけない医療者が、製薬のバックアップを公然とうけて講演する神経も、不明です。
ちなみに、あなたの先生が、真の専門家がどうかは、すぐにわかります。ここで、名前の検索をかけて、何も論文が出てこなかったら、かなり、怪しいですね。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/
業界の黎明期を支えた元学会長のY先生や、K先生。医学部から最先端の知見を体得なされ、業界に還元して獣医臨床の世界に非常に貢献されました。
その精神・・・・今一度、見習おうではありませんか。
俺は獣医だ! 日本の獣医は世界水準だ! 獣医は飼い主から尊敬されている!
っていう呪文を、自分に向けて言い放つのはもうやめようね。
(誰かが言わなきゃいけないけど、人を怒らせたり、事を荒立てるのは、実際、気が進みませんが、なんだか、私、失うものも、もう無いし、守るべき社会的立場もないので、あえてネ。フフフ。)
北森ペット病院(千葉県茂原市):PC用
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