失明が多かったな~
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
2018年もあと2週間ですね。
いろいろ、1年を振り返ることが多くなりました。研究の事、症例の事、コラムの仕事、論文作成・・・・あわただしい、しかし非常に充実した1年でした。
症例の事を書きます。
今年は、ネコの失明の症例が非常に多かったです。
全て、腎不全に起因する高血圧が原因の網膜剥離による失明です。
(網膜剥離の眼底写真、上下にめくれ上がった膜が見えますね)
腎不全を診断した際は、必ず血圧を計り、高血圧の場合は、網膜はく離や脳出血(確定診断はしたことありませんが)を予防するために、抗高血圧薬を処方しますが、
問題は、初診時に血圧が高くなかった場合です。
初診時に高血圧がなければ、その後定期的に血圧を測定する方が少なく、数年後に発症というパターンです。
高血圧は、見た目に症状が出ないので、そして、腎不全の治療の進歩で寿命が格段に延長したので、超高齢猫に、失明が増えたと理解しています。
治療の介入は、上で180以上です。失明時の血圧は、250以上になっていることが多いですね。
人間と違い、ネコは高度な精神活動はしませんから、失明したらしたで、強く生きますが、やはりかわいそうですね。
腎不全猫の寿命が延びた分、これまで以上に、血圧の経時的な測定の重要性に関しては、十分、インフォームする必要がありますね。
(エコーでみた網膜剥離、ガルウイングといって、鳥の羽のように眼底の膜がはがれています)
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