誤診①
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誤診について。
高名な医学部の某教授が、退官のときお講演で、『私の誤診の割合は20%だった』・・・・数字はうろ覚えですが・・・・と言って、講演を聞いていた医師たちは非常に驚いたと言う話があります。
誤診率の高さではなく、低さにです。
え~そんなに誤診しないの・・・・・・と、医師たちは、驚いたのですね。
昔読んだ、米国の内科学会の論文でも、平均的な誤診の割合は30%だったような気がします(10件のうち3件は誤診)。
多分、平均的な医療者の誤診率がホボゼロになれば、おそらく医療行為は免許制ではなく、市民に開放されると思います。免許もちに正義があるとすれば、誤診した3割の追及ですね。
(2割3割の数字はどうでもよいのですが)
ところで、どの(獣)医師も、誤診なんてしたくないのに、私も含めて、何で誤診するのだろうと考えます。
ヒトは所詮、現象それ自体を、完全には、把握することはできません。永遠に! 細胞、核、遺伝子、分子、原子、・・・・行っても行っても、さらにそれを細かくコードする法則が出てくるからですね。
今仮に、現代の医学情報を全てインプトしたスーパーコンピューターがあったとしても、今日の診断は、1年後には誤診になっている可能性があるということですね。
私達の子供のときは、インフルエンザ=風邪でしたね。
まあ、論文報告の、誤診の割合が3割ということは、その時点では、7割はうまく治療できているということで、でもそれは、誤診でもうまく治療されたと思っているケースも後から考えたら含まれますね。
さて、それはともかく、私は、平均的な誤診の割合が3割だとしても、なぜひとによって差が出てくるのか・・・・・に興味があります。
つまり、現象自体を完全にはとらえられないけど、
そのこととは別に起こってしまう、誤診の個人差の発生原理に興味があります。
つづく
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