アトピー
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
アトピー性皮膚炎(AD)について。
ADの治療には、人ではdupilumab、犬ではApoquel(アポキル)といった新薬が用いられるようになり、ステロイドを用いず、かなり症状をコントロールできるようになりました。
凡庸な、獣医療の臨床医や認定医や専門医は、ADには新薬・アポキルを~・・・のようなとらえ方しかしないが、
薬剤を道具と考えると、この新薬の成功は、ADの主体が、Th2細胞依存性の過剰な炎症で、IL-31などが関わることを示唆する。
ADのA・・・・つまりアトピーは、なんだかよくわからないという意だが、
ADは、ようやく、Th2型炎症反応であることまで、人類はつきとめた。
人の方の論文を読むと、更に時代は進んで、ADをさらに細かく遺伝的な背景も考慮して、分類しようという努力がなされている。
ADを表現型のフェノタイプとして、最終的な臨床的+免疫学的症状を、エンドタイプとして分類して、治療を細分化する戦略。
(興味ある方は、この論文の下の方に、写真が出てます)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0091674918315720
眼に見える法則を、更に目に見えない法則でコードするのが、科学の厳密化だが、皮膚科もようやくそういう時代に入ってきた。
さて、このエンドタイプという考えかた・・・・・
人では一部、人種的な背景を基礎しているけど、まさにこれは獣医療では、犬種による分類に対応できるのではないかと思う。
しかし獣医臨床の場合、
皮膚病に興味をもつ獣医は沢山いれど、皮膚病のメカニズムそれ自体に興味をもつ臨床医は皆無で、『俺、皮膚病みるの好きじゃけんね・・』とい称号に興味をもつ輩ばかり。
認定医制度が始まって10年くらいだけど、
この10年で、皮膚科領域で変わったことは、認定医が増えただけ(笑)。増えた認定医が、何か皮膚科の診断に関することを画期的に進化させたなんて話は皆無。
本当につまらない輩が多い、獣医皮膚科。
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