クールで、セクシー
小泉さんの発言、面白かったですね。
さて、創薬は、いつもクールでセクシーという話。
貧血にきく新薬誕生までの美しいストーリーです。
腎臓病になると貧血が進みます。貧血とは、体の中で、酸素を運ぶ赤血球が減ることです。
貧血は辛いですよね。だるいし、頭痛くなるし・・・・・。
貧血を改善するには、赤血球を作るEPO製剤という注射を打ちます。EPOは元々からだの中にあり、赤血球を作る物質です。
でも、注射って、めんどくさいですよね。
痛いし、病院へ行かなきゃ行けないし・・・・。インシュリンもそうですが、元々からだの中にある多くの作用物質は、口から飲むと分解されます。だから注射なんですね。知ってました?
ところで、アンデス地域の高地に住む人々は、普通の人々より、少々赤血球が多いのです。それは、高地の低酸素状態に耐えるために、酸素を運ぶ赤血球を作る作用が強いのです。
HIF(ヒフと発音)という物質が細部内にあります。HIFは、上記のEPOを作る速度を上げる物質ですが、通常は、HIF-PHをいう物質ですぐに壊れます。それは、HIFが常にあると、EPOが作られすぎて、赤血球が増えすぎるからです。
さて、ここからが面白いのですが、アンデスの高地の人々の体の中では、このHIF-PHの力が弱いことが分かりました。
つまり、アンデスのような酸素の少ない地域の方は、HIF-PHの力を弱くして、HIFの力を上げて、EPOの産生能を上昇させ、赤血球を沢山作って、低酸素に耐えているんですね~。
じゃ、HIF-PHを弱くする薬を作れば、貧血に効くじゃん!
って・・・・・・製薬会社は考えました。
そして、薬になったのが、
エベレンゾ(ロキサデュスタット、アステラス製薬)
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=67935
口から飲める、画期的な貧血を改善する新薬ですね(9/20 on sale)
アンデスの話から、腎臓病の貧血治療へ・・・・・なんてクールなんでしょう! 物質が、細胞に作用して、体の機能を変化させる、セクシーですよね。
創薬は、いつだって、クールで、セクシーです。
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