物語の力
死ぬまで踊り続けていくには、名前が欲しい・・・・
とは、
バーストヘッドでのミチロウ先生の名言ですが
私は、名前を、物語に、置き換える。
物語の力は人生を楽しくサーフし乗り切るには、重要なファクター。
物語の最大のものは宗教だろうけど、大きくなりすぎると、物語の力、それ自体に、飲み込まれてしまう。
小さな小さな物語が、肝要。
例えば、
真理(しんり)という言葉が子供の頃から好きで、高校時代に横に座ったキラキラしてる子の名前を何気に見たら真理(まり)で、そのまま結婚しちゃった・・・俺、幸せ!!!
みたいな(笑)。
さて、小学生の頃、
通学路に、大きな家があって、大きなお庭に、放し飼いのボクサー犬がいた。
会うのが毎日、楽しみだった。
私にとって、犬の原体験は、ボクサー犬。
(ちなみに私の親は、犬が大嫌いで・・・・今は大好きみたい・・・・犬を飼ったことはなかった)
開業前の30歳の頃
知り合いの獣医師の家にたまたま行ったら、真っ白いボクサー犬がいて、
その美しさに感動した。
それで、
開業後、白のボクサー犬をすぐにもらってきた。
で、ボクサー犬のことを色々知りたくて調べていると、人間とボクサー犬に好発するなぞの心臓病があることを知った。
心臓病は、前職の研究所時代の、専門分野。
そりゃ、
運命だと思うじゃん!!!!!!
当時の全預金をつぎ込んで、研究用の機器を購入した。解析ソフトだけで100万だったな・・・。
15年くらいデータとって、雑誌にその病気の総説を書いたら、それがさる方の目に留まって、
今じゃ、国の心臓病研究班に所属されるような天才とつながりがもてて、
獣医師としての世界が一気に広がった。
世界といえば、その病気に関わる医療機器販売会社をスペインに見つけて、今、彼らとやりとりしている。
ボクサー犬の為に、アジア全域にその機械を広げたい。
物理的にも世界に出ちゃったよ~。
ここまででも、
ボクサー犬様様だけど、
15年くらいボクサーのデータをとっていたけれど、実は、当院の顧客としてはボクサー犬は1頭もいなかった。全頭、県外の、データ取りに協力してくれた犬ばかりだった。
それが昨年、
初めて患者として(調子の悪い)ボクサー犬が来院した
はじめはわからなかったけど、まれな感染症であることがわかり(おそらくその症例に出会うのも生涯1回?あるかないか・・・)
結局、奇跡的に救命できて・・・本当に奇跡だったね・・・最初誤診してたからね・・・・はぁ~
絶対運命だと思って、
世界中の論文を色々調べていると、
その過程で、
世界的な微生物の研究者で、千葉の某大学の副学長とメル友になったり、
有名な某博士が昭和初期に書いた、超お宝の微生物の研究書をヤフオクでたまたま手に入れたり
(その本、九州大学の図書室のガラスケージにも入っていうそうです)
すごいことが沢山起こって、
結局、その感染症の総説を書くことになって、この度、専門誌に発表した。
・・・・・・・・
通学路のあのボクサー犬がいたから、今の私と、今の私の交友関係があるという物語
この物語は、
死ぬまで踊り続ける為に、過去を、未来完了型にする物語
人間らしいよね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ああ、そうだ、真理ちゃん
物語は成立しなかったけど
元気?
メール頂戴(笑)
表紙の一番下に、総説のタイトルがあります。
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