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北森ペット病院


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2021年1月29日 (金)

精密医療・根本医療を目指すけれども

感染症以外の疾患は、

遺伝病(inheritance、異常な遺伝子の遺伝)

か、

遺伝子の病気(genetic、後天的に遺伝子が傷ついて起こる病気)。


なので、

疾患を根本的に治療(fundamental treatment)

するには、


遺伝病や、遺伝子異常の疾患における、遺伝子変異と疾患発症メカニズムを知ったうえでの精密な医療(precision medicin)


が必須


だけど、



なかなかそのメカニズムは解明されず

だからこそ、

今の(獣)医療は、

まさに感染症以外は、


一部の外科療法(移植など)を除き、対症療法。


薬で

世界一の販売数を誇る抗高血圧薬も、病気を治す根本的な治療薬というよりは、飲んでいて発症を抑える予防薬。


さて、

私の専門分野は、犬の心臓突然死疾患・・・・遺伝病ですね。


20世紀の後半ぐらいから、病気を発症している固体と、発症していない固体の遺伝子(の変異、多型)を比較して、病気の原因となる遺伝子(変異)を見つけるという試みが行われています。


病気の発症に関する遺伝子(変異)がわかれば、遺伝子はたんぱく質をつくり、体の恒常性を維持するわけだから、どのたんぱく質が異常で病気になるかが分かる・・・つまり物質として病気の原因がわかるというわけね。


そうなれば、その物質をなんとかすればよいわけで、う~ん、根本医療の幕開けでんがな~


ってわけで、

私も、そんなテクノロジーを応用して、この数年、色々やってきました。

で、

●百万かけて(遺伝子の検査はご好意で無料でしたが、その他の背景データ蓄積のための金額)、突然死が予想される固体のDNAを採材してて、遺伝子変異のデータはとってみたけれど、


すっかり空振りでした。



どうやら、心臓関係の遺伝病は、ひとつの遺伝子(変異)がかかわって起こるのではない、多因子疾患なんですね。


だから、

発症と非発症の固体の遺伝子の違いを単純に並列で眺めてみても、

駄目なんですね。


・・・と、この1ヶ月、嘆いていると、


米国の犬の心臓突然死の研究者が、

最近

やっぱ駄目ね(なんて単純な表現)


なんて論文だして、


向こうは、研究予算が億らしく、そりゃ、私なんぞは、真実にはそう簡単には届かんね。


なんて、逆に、めっちゃやる気が出ました!!!!!


残りの人生かけるには、

壮大なテーマだけど、

なにわの春男児よろしく、

身代つぶすのが男のロマン


これからも、嫁と会計事務所の冷たい視線に耐えながら、

がんばるもんね。


(いくら対処療法したって治せないという獣医師としての苦しみや悲しさが、歴史の彼方の東洋医学とか、まじない程度のサプリや民間療法みたいなレベルの低い方にいくのは悲しい・・・・しまいにゃ、素人みたいな医食同源・・・医者と比しても、めっちゃ多いよそんな獣医師が。やはり動物の命は軽いんだね。人生における悩みが哲学に行かず、あいだみつお的感性にいくパターンね。まあ、本人自身のことならばそれもいいけど、他者(動物だけど)の命だからね。)


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