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北森ペット病院


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2021年9月20日 (月)

なかなか、脳を・・・・・・・

当院は、

かなりユニークな病院であろうと思います(認識しています)。


色々、他院とは違うポイントはあるのですが、その一つに、当院は死体の解剖が非常に多い(ヒトの場合は遺体で、動物は死体なんですよね)というのがあります。


生涯、一度も解剖しない臨床獣医師もいますが、


当院は、今年に入って、はや5検体の解剖をしています。心臓突然死の疾患を多く診るので、その解明の為という背景もありますが・・・・


さて、解剖は、

基本、全臓器を対象に摘出を行いますが、


どうしても摘出に躊躇する部位があります。


それは

脳です。


学生時代は、

実は、しょっちゅう、ある動物の脳を取り出しては、研究にもちいてましたが、30歳を過ぎて臨床家になった後は、脳を摘出できなくなりました。


精神的にですね・・・・・(多分、飼い主側も、脳の摘出には狼狽するような気がします)。



人間の医学研究者、解剖医は、当然のように脳を摘出しますが


(原因不明の死亡の場合は、必ずしますよね。当たり前ですね)


どうも精神的に、できません。



栄養学や獣医学の進歩で、ペットも高齢化がすすんでいます。


高齢の人間で認められるような痴呆の様な脳の機能障害も、しばしばペットでも観られますが、そのような症例を、ヒトのように死後に脳を摘出して研究したという報告も非常に少ないし、


摘出されたかのアインシュタインの脳のように、非常にクレバーなペットの脳を死後調査したという報告も、皆無です。


私以外の獣医も、

脳の摘出には躊躇していると思います。


なかなか表現しづらいのですが、


獣医は、脳になにか文学的な意味付けをしており(単に生物学的な対象物として見られない)、死後、ただの物体になったとしても、その意味付けを精神が超えられないのではないかと思います。




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