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北森ペット病院


癌・免疫

2019年9月17日 (火)

昨日の続き・・・歴史は繰り返される・・・・・・

歴史は繰り返される、一度目は悲劇として、二度目は喜劇として・・・・。


さて、昨日の続きです。

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昨日紹介した本が届きました。


ガン免疫療法をまとめた名著です。


左が2016年版、右が最新刊です。


5~6年前から獣医の領域で行われているなんちゃて免疫療法・・・・・・動物病院のHPに『最先端の免疫療法』とか、『高度医療』とかうたっていますね。実は既に20年前から効果が確認されない怪しい療法として、ヒトでは保険医療に認定されず、細々と、金持ち芸能人相手の民間療法として生き残っていました。


それでも、その療法、2016年版には大項目として掲載がありましたが・・・・・・とうとう、最新版には大項目はおろか、目次にもありませんでした。


ヒトでは、一度否定され、それでも一部の金持ちが最後の手段に使うキワモノ療法でした。あああ、人生の最後になんて悲劇なんでしょうか。


しかし、それが、獣医の領域では、まるで、先端免疫療法として宣伝に使われています。


喜劇ですね。


この場合、考えるべきは、


① ヒトには効かないけど犬には効く

② 無知ゆえにヒトには効かないことを知らず、本気で犬に使っている

③ ヒトには効かないことを知っていて、金儲けで犬に使っている

④ 何にも考えず、なんかかっこいいから、犬に使っている



みなさん、サイエンスを応用して仕事しているヒトが、サイエンティフィックじゃない例は、


ジョブズが民間療法で寿命を縮めた話、


カルト宗教にインテリが意外と多いこと、


など・・・・色々転がってます。


ま、獣医の話がフェイクかどうか判断するのは、あなた自身の問題でもありますね。


特に上記②のケースは、相手側もマジだから(笑)。


やはり、二度目は


喜劇ですね。



ちなみに、免疫細胞を使ってガンに効果が有る方法が、唯一あります。今年、人で認可されました。がん患者から免疫細胞を取り出して、米国に送って遺伝子操作して体にもどします。



CAR-T療法といいます。3000万!

https://gemmed.ghc-j.com/?p=26382

ここまでしないと、効果が出ないんですね、今のところ!



当院youtube (世界に発信しています。全て飼主の同意は得ています。世界初の動画も有?140動画あって、ジャンプが遅いっす)
https://www.youtube.com/channel/UC9qDMRC15D_O2tdFiUbnr2A


ここでコラム書いてます
https://wannya365.jp/writer/detail/11


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https://www.kitamori-ac.com/


2019年9月16日 (月)

物事は複雑に考えましょう

医師の学会と、獣医の学会の大きな違いは、


前者はより複雑に、後者はより簡単に、発表すると、うける!!!ことです。


いや~、まさか心臓病の話に、熱力学の話が出てくるとは思わなかったよ、難しかったね~!ってワクワクして家路につくのと、いや~今日の講演分かりやすかったね!って・・・・・どっちがどっちかわかりますね。



悲しい飛行機事故・・・・・・垂直尾翼がウンヌンは、単に事故の原因で、落下する原因ではないです。落下するのは重力があるからで、これは原理に属する。




病気の原因だけ知って(事故の原因)、体が動く原理を語れないのが獣医業界。事故(病気)の原因は、通常目に見える。エコーや心電図やレントゲンや血液検査でね・・・・



簡単なの。



でも、原理は目に見えないもの・・・・・重力のように・・・・・でコードされているから、理解するには、馬鹿ではできない。



知り合いの研究者が、最近は流行の獣医の某認定医試験に、その原理に当たるものを試験に入れないといけない旨、お歴々にお伺いを立てたが、必要ないんじゃないの、ベイビーって一笑されたとか。



更なる高みを目指せず、金儲けの看板になり下がっている認定医が目に付くのも理解できる。だって、原理を知らないんだから。



学会の話だっけ・・・・・・



簡単な話は、同類の間違いを犯す輩を大量生産する。



複雑な話は、多種多様な考え方を生む。



私のブログ、同業者がたまに見ているそうなので、書いておきます。



ゾクゾクと、ガン、免疫の最新本が出ています。



獣医の教科書なんて、登場人物が、3人くらいで、真剣に読むと、馬鹿になります。たまには、まじめな医学の知見を吸収しましょうね。



AIとがん研究 その妥当性、有効性 ゲノム・エピゲノムから細胞・医用画像まで
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784758125246/index.html


がん免疫療法の個別化を支える新・腫瘍免疫学
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784758103817/index.html


がん生物学イラストレイテッド 第2版
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784758
120968/index.html




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2018年11月20日 (火)

魚油、ビタミンD、癌・心疾患予防せず

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魚油、ビタミンD、癌・心疾患予防せずというデータが公開されました。




2万5千人のランダム化試験です。



https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1811403?query=recirc_curatedRelated_article




ビタミンDと、魚油(DHA+EPA)と癌、心疾患(心筋梗塞、脳卒中、心血管イベント)との関係を調べた、もっとも大規模な試験ですね。





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2018年10月 3日 (水)

ノーベル賞 PD-1

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いつかとるといわれていた、PD-1、ノーベル賞取りましたね。



がんの、画期的な新薬の道を広げましたからね。



受賞インタビューがよかったですね。



疑問を持つことが重要! 




本当に、その通りですね。



問いに答えるの能力は、テストで計量化できますが、問いを立てる能力は、学校教育では育ちません。



生き方の問題ですから。



でも、この問いを立てる能力こそ、人生を豊かにしてくれます。




私たちの周りには、不思議なことがいっぱいです。



どんな小さなことでも、疑問を立てられた人生は、豊かですね。





ああ、そうそう、PD-1ってなんの略か知ってますか?




Programmed cell death 1の略です。もともと免疫細胞の自然死を誘導する蛋白として単離され、十数年、何の意味があるのか不明だったものです。



その後、さまざまな研究者によって、発見時以上に、重要な機能をつかさどる蛋白として見出されました。



さまざまな研究者によって育てられた物質です。



皆さん、疑問をもって生きましょうね。



(あ、ちなみに、この免疫療法は、一部の獣医がやっているなんちゃって免疫療法ではないですからね。免疫を上げるのではなくて、免疫の抑制を、抑制するメカニズムです。アクセルを踏むのではなくて、ブレーキを外すという治療ですね。保険適用がないと1000万以上する薬です。抗体なので、人にしか使えません。)




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2018年9月23日 (日)

部位別がん生存率(人)

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国立がんセンターが、国内拠点病院における部位別のがん生存率(3年)の最新版を公表しましたね。



https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0912/index.html




実測生存率(ガンによる死亡以外の全死亡を含めた生存率)と、相対生存率(ガンによる死亡)を、部位別に報告しています。

数十万人のデータですから、まさにインフォームに使えますね。




このようなデータを見ると、いつも思うのですが、




犬猫は、平均13~15年しか寿命がありません。




犬猫の1年は人の5~7年に相当すると言います。




となると、人で言う3年生存率は、犬猫の数ヶ月生存率です。




ガンの治療を考えたとき、




手術の場合は、部位によっては比較的、体への負担も少なく、また根治できるかもしれませんので、必要に応じてぜひトライする治療だと思います。




しかし、制癌剤を用いた化学療法は、完治しませんし、それどころかQOLを下げる危険性があり、また非常に高額になる場合があります。





比較的、制癌剤が効果を発揮しやすい犬のある種のリンパ腫でさえ、平均1年の延命効果ですから、




やはり一般的なガンに対する化学療法は、よくて数ヶ月程度の延命のような感触があります。ネコは、特にそうですね。




(逆に言えば、犬猫で数ヶ月の延命は、ヒトの数年・・・・・とも言えるのですが・・・・・・)





なにが言いたいのかと言うと

飼い主に、制癌剤の明確な効果を示すデータが、ほとんど無いということなのです(数ヶ月差をデータで示すのはかなり難しいからです)。





(それは、更に極端な事例でイメージしていただければ良いのですが、僅か2年程度の寿命のハムスターで、制癌剤の延命効果を調べるのがほぼ無理なのと同じ理屈です。)




・寿命が短いので、制癌剤の差が出にくい(明確なデータが提示できない場合がある)


・QOLを下げる可能性がある


・非常に高額になる可能性がある



このような理由から、犬猫のガンの治療・・・特に化学療法・・・・に関しては、人間のようにはいかないと認識してください。



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2018年9月 5日 (水)

民間療法(がん)

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さくらももこさんが乳がんでお亡くなりになりました。



報道では、抗がん剤をやらず?、民間療法をしていたとか・・・・・・。



さくらさんの療法の、詳しいことは知りませんが、



米国では、お金持ち、知識レベルが高い人が、がんにかかって、民間療法・・・ようはオカルト療法ですね・・・・・に頼り、寿命を縮めることが問題になっていますね。



有名なところでは、ステーブ・ジョブズですね。



知識レベルが高い人は、ネットなどで見つけたオカルト療法が、知識レベルが高い自分だからこそ発見した・・・・と、誤解しちゃうんですね。



哀れです。



また、えてして、オカルト療法は、金額が高いんですよね。私の知り合いも、サメの骨のエキスがどうのこうの・・・しかも特別な地域のサメじゃないといけないから非常に高額とか・・・もう哀れですね。



だます奴がいて(オカルト療法者)、だまされる病人がいるのは悲劇ですが、

本当に信じてオカルト療法やってる者と、それを信じている病人の場合は、喜劇ですね。



ジョブズは、晩年、自分の愚かさに気が付き、高度医療を頼りましたが、時すでに遅しでしたね。



さて、がんに関わる療法で、オカルトかどうか見極める方法をお教えします。



とっても簡単です。


① 絶対に治る という表現

② 免疫を高めると表現

ですね。



①に関しては、当たり前ですね。絶対とかあり得ませんからね。語るのもばかばかしいです。


②に関してですが、


例えば、インフルエンザ脳症、劇症肝炎、ギランバレー、SIRS・・・・これらは、免疫が高まりすぎてなる致死性の疾患です。



我々動物の体は、常に免疫を抑制する機構がはたらき、免疫の暴走を抑制してます。

免疫を必要以上に高めたら、危険なんですね。



しかもガン細胞は、10年程度かけて、体の免疫機構をかいくぐってできた、わかりやすく言うと、免疫耐性獲得細胞なんですね。


免疫耐性があるがん細胞を、既存の免疫システムで攻撃しても、無駄です。


だって、免疫が効かない細胞をがん細胞と呼ぶわけですからね・・・・・・。



まあ、ですから、標準療法をしましょう。



たまに悲劇じゃなくて、喜劇的な(獣)医師(つまりオカルトを自分で信じている獣医師)もいますから、注意ですね。



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2018年6月12日 (火)

日本の癌治療もステージが上がりますね

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本日は、癌治療の情報です(ヒトの)。




日本も、とうとうゲノムセンター開設しましたね。

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0601/index.html



これで、癌の治療も、10年後には数段上がってますね。


癌とは、簡単に言うと、ゲノム(遺伝子)の変異です。変異によって、細胞の増殖が制御できなくなった状態を癌といいます。


センターは、個々の癌の変異を調べて、テーラーメード(個人個人にあった)治療を将来的に目指す目的で開設されました。



さて、遺伝子の変異の種類には、


・細胞を増やせという命令を出す遺伝子の変異

・細胞を増やすなという命令を出す遺伝子の変異

・突然変異を修正する遺伝子の変異

・突然変異した遺伝子を持つ細胞を死滅させる遺伝子の変異

・遺伝子自体には変異は無いけど、遺伝子が働かないようになるエピジェネティクな修



などのパターンがあります。


変異の原因には、


・日々の細胞分裂の時(新陳代謝)の時のエラー

・ウイルス感染(子宮けいがん)

・化学物質

・慢性炎症(ピロリキンの感染)

・放射線・紫外線

・抗ガン剤(二次癌)

・加齢などによるエピジェネティクな修飾



などがあります。

癌における遺伝子の変異は、数個あります。また、同一個体でも、場所によって変異が違う事もあります。


将来的には、個々人の癌の遺伝子変異のデータが調べられ、AIが膨大なデータから最良の治療法を選択する・・・・・・という時代になります。


さて、これは医療の話し・・・・・・わが業界は、どうなることやら。


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2018年5月 2日 (水)

癌統計公表

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本日は、癌の統計データについてです。


先だって、国立がん研究から、最新の癌統計が公表されましたね。


https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html


興味深いのは、年齢別癌死亡リスと、部位別生存率です。ヒトの方は、癌撲滅は、国家事業ですから、膨大なデータから推計できます。


例えば、私の年齢ですと、10年後、20年後、30年後にそれぞれ癌で死亡するリスクは、1%、6%、15%です。


部位別生存率では、5年生存率が、前立腺がんで97.5%、膵臓がんで7.9%と、かなり差が出ています。

しかし、サバイバー生存率でみると、膵臓がんでも、5年生存率は80%もあります。とても興味深いデータです。初期治療が早ければ、助かる率も高まるということかもしれません。


癌は怖い病気ですが、まず戦う相手の事を知らないといけません。このようなデータを真剣に検討することは、患者側にも非常に重要なことです。

2018年4月26日 (木)

CONCORD-3(国別癌生存率)

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今日は、最近公開されたCONCORD-3の結果についてです。


CONCORD-3は、2000~2014年にかけて、世界71カ国、3750万(すごい!)の癌の症例を、国別に、5年生存率で比較した大規模研究調査です(無論ヒトの)。

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0220/index.html


ようするに、癌治療の国力の差ですね。


18部位の癌について比較していますが、日本は、肺がん(治療)で世界一、胃・食道がんで、世界トップクラスでした(悪い方はあえて書きません。闘病中の方もいるので)。下記に、その生存率と、米国との比較、最低の国のデータを記します。


● 日本の5年生存率

・肺がん 32.9%
(米国 21.2%、最低はインド 3.7%)

・胃がん 60.3%
(米国 33.1%、最低はインド 8.9%)

・食道がん 36.0%
(米国 20.0%、最低はインド 4.1%)

肺がん、胃がんは、日本人には非常に多い癌です。ドラッグラグ(米国の新薬がなかなか国内で承認されないジレンマ)があるにも関わらず、この分野で世界一、もしくは米国をも上回るくらいの世界トップクラスですから、流石日本の医療水準は高いですね。


医療水準とは、医師の技術、薬の効果、検査技術の総和だと思います。薬に関しては、先に書いたように米国には負けますが、医師の技術水準と、検査技術がトップレベルなのでしょうね。


医師の技術は、私には評価なんてできませんが、検査技術は、国内は相当高いと思います。


肺がん評価で有用なCT、MRIの設置病院は世界トップクラスですし(設置数が多いという事は、画像評価水準も当然上がります)、胃・食道がん評価で有用な内視鏡技術は、世界をリードする会社オリンパスがありますからね。


この世界最高水準の治療を、公的な保険医療で受けられる日本に感謝しましょう。本当に素晴らしいことです。保険制度をつくった、そしてヨタヨタになりながらも維持している官僚のすごさにも脱帽ですね。米国人なんて、オバマケアが話題ですが、水準の高い医療を受けるためには、民間の超高額医療保険に入らざるをえず、皆、その保険料を稼ぐ為に働いているようなもんですからね。

ちなみに、動物では、胃・食道・肺がんは、めったにみない癌種になります。


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2018年4月10日 (火)

免疫について② 風邪をひきやすい体質とは

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本日は、免疫についてお話です。その②です。


病気(感染症)にかかりやすい個体と、かかりにくい個体の差について書きます(風邪や下痢を起こしやすい人とそうでない方の差ですね)。


大体、以下の様に説明されています。


① 粘膜、皮膚バリア機能の差
皮膚、粘膜が乾燥しやすい人は、外敵侵入抑制機能としてのバリア機能の低下がおこり、細菌、ウイルスなどの感染を受けやすくなります。


② 免疫細胞の数が低下する要因の多い人
ストレスの過多。ストレスがかかると交感神経が有意になり、体内からステロイドホルモンが放出されます。ステロイドホルモンは免疫系を抑制します。

年齢要因。高齢者は免疫細胞自体が減少しています。これは胸腺という組織で作られるリンパ球の数が減少するからです。

ストレスフルな人や高齢者は、免疫細胞自体の数が減少して、感染症に対して弱くなります。


③ 獲得免疫能の差
色々な感染症を経験した方、ワクチン接種の多い方は、獲得した免疫能が高いので、抵抗力が強い。


④ MHC分子の多様性の差
少々難しいですが、じっくりとお読みください。とても重要な部分です。いわゆる体質に関わる部分です。

体に入ってきたバイ菌は、ある細胞に食べられ、細かな分子に分解されます。分解された分子は、その細胞の細胞膜表面のMHCに運ばれ、免疫細胞のリンパ球に情報を伝えます。

しかし、MHCは個体によって多様性があり、分解された分子がMHCにうまく乗っからない個体があります。


そのような個体では、免疫細胞のリンパ球にうまく情報が伝わらないので、感染が成立します。

以上が、いわゆる風邪をよくひく人とひかない人の差です。


犬猫は、あまり風邪をひきませんが、私の想像だと、人間と違って、言葉を発しない分、口を開けませんし、口呼吸もしません。ゆえに上部気道の乾燥を起こしずらいので、あまり風邪をひかないのだと思います。小さい時は犬猫でも鳴きますから、気道粘膜からの感染症を起こしやすいのだと思います。

これ、獣医学上の大発見だ~と、昔、院長(嫁)に言ったら、動物は、仕事がないからストレスがかからないからじゃないと言われました。

さて、皆さん、どう思いますか?


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