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北森ペット病院


獣医療・インフォームドコンセント

2023年11月22日 (水)

オカルト療法を学ぶ

獣医療においては、

数%くらいの獣医師がオカルト療法を行っています。


案外、Youtubeで発信している先生に多いような気もします(これは私見)。


以下は、尊敬する医師・イワケン先生の言説からの引用と、獣医療にフィットさせるための応用文ですが、


獣医療におけるデマゴーグは、1~2割の名言と、8~9割の迷言から構成されています。前者は、価値を語り、後者はファクトの誤謬を述べています。


獣医師は、飼い主に、自己中心的な価値を押し付けがちで、


それに対する、飼い主の獣医師に向けられた嫌悪感につけこむのが、デマゴーグが発するオカルト療法です。分かってくれない獣医師に対するアンチテーゼとしてオカルト療法があります。


つまり、

オカルト療法が流布する一部に、

(まともな)獣医師の責任もあるのです。


そういう意味で、私達(まともな)獣医師は、デマゴーグの発する価値の言説に耳を傾けつつ、ファクトの所でノーを突き付けるような態度が重要だと思います。


デマゴーグを完全に否定しても、状況はまったく変わらないし、飼い主の為にもならない。


オカルト療法が流行る理由を、(まともな)獣医師も、しっかり目を向けないといけない。

2023年10月25日 (水)

やってやってる・・・・・よくないね

昔、24時間診療していた時、

すごい嫌な感覚に最終的に包まれたんですね。


それは、

『俺が、(自分を犠牲にして)、診てやっている』・・・・という感覚。


あの頃は、

体力的な辛さよりも、

人間性を破壊するようなその感情のコントロールに、つかれたね。


この感情・・・・臨床現場では、仕事の遂行を雑にするんだよね。

直観力も落ちるし。


その感覚がひどく出るようになって、

もう無茶な働き方は止めようって思って、24時間診療を終了しました(ちょうど、大病院の24時間病院も開院されたし、子供もできたしね)。



ただ、最近

同じような感覚になることがあります。



それは、

電話やメールでの無料相談。


(例えば薬の副作用の質問程度ならいいんだけど、電話5分以上とか、数回メールをやり取りするような、医療相談となるとね・・・・)


飼い主は気軽な感じなんだろうけど、専門知識を駆使しての回答・・・・診察室でのやりとりと基本的には変わりません。



毎日、10件程度は、そんなのがあるけど、



当院の診療費ベースで考えると、初診料・再診料×件数で、毎日9000~16500円の仕事を無料で実施しているわけで、年に換算すると、300万~600万の無料奉仕をしている計算になります。医療機械が1台買えますね。



医療の場合は、

電話での診断にも診察料がかかるし、まあ、普通は医師にメール相談はできないですよね~。


獣医の場合は、

その点、敷居が低いことろが、良い点でもあるんだけども



何が言いたいのかというと、


行為には必ず感情が付きまとう・・・その感情は、行為が例え崇高でも、人間性を破壊するような状態を引き起こし、最終的なワークの質を下げるということ


県外の顧客はある程度しょうがないとは思いますが、


かかりつけ医なんだから、


小さなことでも、ちゃんと診察室で仕事を完結させたいね。


(ボランティア団体が、よ~く分裂したり、対立したり、攻撃的になったりするのは、この・・・やってやっている・・・・という感情のコントロールの無具合だと思うね。)




2023年10月14日 (土)

情報化の中で・・・獣医療と医療の違う点

現代では、人々は、

ネットという膨大な情報の中で生きざるを得ません。


飼主さんは、

そんな膨大な情報を、自分なりに調べて解釈して、我が子(ペット)の病気は●●病ではないか?

と、心配されて来院されることが、今や日常です。



『我が子は、●●病ではないか?』・・・・・我々獣医師から見ると、それが、かなり可能性の低い飼い主の思い込みであることは、診察室の中ではアルアルですが、


ここで、獣医療と、医療の違いが出ます。


医療の場合は、税金でやる保険医療なので、患者が、●●病が心配だから●●の検査をしてくれと言っても、その可能性が低いと医師が判断すれば、検査は実施されることはないでしょう(税金には限りがありますからね)。


かたや獣医療は、自費診療なので、飼い主が、心配で、どうしても実施して欲しい検査があれば、獣医師は断ることはないでしょう。



飼い主の安心感の為に実施される検査

いつも悩むのですが、


(もちろんリスクのある検査は、安易にはしませんよ)


飼い主が安心して、今後の治療につながれば、、、、、、と実施しています。



飼主の安心感と、ペットの治療は、違うカテゴリーで、両立で考えて診療を進めていく方が、獣医療では、最終的なペットの利益につながる気がしています。

2023年9月12日 (火)

あなたのエビデンスと、私のエビデンス

ネットの時代で、

飼い主は、

様々な情報に触れるわけです。


でも、情報と、エビデンスは違うわけですね。


たまに、

情報=エビデンス

だと思っている飼い主がいて、なかなかそれが困りごと。


獣医のいうエビデンスと、飼い主のいうエビデンスは、まったく違うんですよね。


エビデンスというのは、科学的に証明されている標準療法です。もちろん、まだエビデンスになってない最先端の治療法があるかもしれませんが・・・。対して、飼い主がいうエビデンス(情報)は、ネットの個人的な体験が多いですね。

もっとも、医療分野のエビデンスに比べて、獣医療分野のエビデンスの質はかなり低いのですが(大規模な臨床研究ができないのがその理由)



エビデンスは、比較的簡単に調べられます。


でも、


多分、飼い主が調べる方法と、私達が調べる方法は、まったく違うんですよね~。


Pubmed、IF・・・・・知ってますか?



もうね、

中学校あたりで、その辺の事、教えれば良いと思うんですよね~

2023年8月16日 (水)

オカルト療法・・・・朗報・・・Youtube

ここのところオカルト療法の話をブログで書いていたら、


なんと

Youtubeから

朗報が!


Youtubeが、


その動画サイトから、

オカルト療法や、非科学的な医療情報の紹介動画を、排除するとの方針を発表しました!



まずはガン治療を中心に、ワクチンや、生食医療に関して当該動画を削除する方針のようです。


https://blog.youtube/inside-youtube/a-long-term-vision-for-medical-misinformation-policies/



これで、

非科学的なWHO基準を逸脱したオカルト療法の蔓延が少しでも減るかな~。



獣医療関係にも

同様の措置を

とって欲しいな~。

(でも、獣医療は、WHOみたいなワールドの組織が無いから無理か。FDA基準でもいいいけど、それだと米国基準になっちゃうものね・・・)

2023年8月14日 (月)

オカルト療法の続き

オカルト療法の続き・・・


獣医療のオカルト療法は、まだまだお子様レベルだけど・・・・(食事で病気を治そうとか、波動を送るとか)・・・医療(人間の)方は、いかにも、最先端って感じのオカルト療法がある。


医療の方は、

オカルトを見分けるのは比較的簡単で


まともな標準療法は、保健医療になるので(無論、最先端の癌治療や、希少疾患の新薬などで、でまだ保険適用でないものはあるけど)、基本、自由診療なるものを怪しいと思えば良いのだけど、


最近、医師の情報誌で知りましたが、


OA(変形性関節症)



PRP(Platelet Rich Plasma )を注射ってのが、自由診療で流行っているようで、


専門医が嘆いていました。


PRP療法は、自身の血小板を採材して、血小板の細胞増殖能を期待して治療に用いる療法(患部に注入したり)だけど、


いかにも最先端って感じなところが、ね・・・



OAには効かんのよね

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34812863/



仰ぎ見る医療の世界でも、自由診療の名のもとに、専門医も否定する治療をする医師がいるんだね・・・・。


オカルト療法を


本気で信じている(獣)医師

信じてはいないが金儲けでやってる(獣)医師



私の感覚では、

前者は獣医師に多く、後者は医師に多い


あくまで私見だよ・・・。


2023年8月12日 (土)

うううう、オカルト

いや~、業界は、オカルト療法大氾濫ですね。


昔は、

雑誌に●●が良いって書いてあった~というのが、オカルト療法の定番でしたが、

今は、

Youtubeがその主戦場ですね。


HPナンゾやってると、全国から、オカルト療法(本人はオカルトと思っていない)の問い合わせがやってきて、辟易します。




まじめな方

高学歴な方

パラ獣医学の方(トリマーとか、AHTとか)


が、案外オカルトに、引っかかるんですね・・・・・かの天才・ステーブ・ジョブズだってひっかかったんですから、(獣)医学って、なかなか素人さんにはファクトの探索が難しんですよね。



ここでも、何度も書いてますが

オカルト療法の特徴を

今一度記して


注意喚起しておきますね。


こんなワードが目に入ったら要注意です



● 何にでも効くという療法

● ナチュラルというキーワード

● 免疫をあげるという謳い文句

● 業界は、製薬会社・フード会社に支配されているという陰謀論

● 個人の感想がデータの主体

● 誰にでも簡単に理解できる治療法

● ネットの一部(いや一人? 笑)の専門家のみ推奨

● 病名が異常に単純(心臓病に効くとかね・・・)

● ペットフードを原因にする

 

まあ、

思うんですが、要は、単純で簡単な話には裏がありますね。


2023年7月29日 (土)

肺は非再生の組織

ある動物病院でのお話。


多くの動物病院は、未だコロナ対策として、飼主には、マスク着用をお願いしていると思います(米国の調査だと、動物病院は、感染リスクがどちらかというと高い場所なんですよね)。


それでも、5類のお願いベースなので、

少なからずマスクを着けていない飼主も来院されます。


そんなマスクを着けていないある飼主が、



獣医師に、

『先生、まだそんなに、コロナ怖いの?』

って聞いたそうです。


獣医師は、

『そりゃ怖いですよ。重症肺炎になることは、今は稀ですが、肺の組織って、非再生性なんですよ。なので、万が一、肺炎になって広範囲に肺がダメージを受けると、一生、治らずに呼吸が苦しいんですよ。』


その飼い主、

絶句したそうですが、


これだけ、コロナ渦で大騒ぎして、

そんなことも周知されていないんですよね。


少し驚きました。


ちなみに

肺、腎臓、心臓(のメインの組織)は、非再生性です。



加えて

コロナに罹患すると、脳障害、糖尿病などのリスクが上がります。


怖いっす

2023年7月11日 (火)

飼主からの治療の提案って

たまにね、

飼主の方から、

『●●の薬を処方してください』、

『●●で治療したいんですが』


と、提案?(良い言葉がみつかりません)されることがあります。



私がまだ若い頃は、

ど素人のくせにウッセーナーって

かなりムッときてましたが(笑)



私も齢をとってきて、

色々病気になったり、持病を抱えたりして、


自分が医者にかかった時に、

そんな飼い主と同じように、医師に提案している自分がいて、

もう笑っちゃうよね。


よく考えたら、

(当たり前なんだけど)


飼主からの意見って、


(私が医師に対してそうするように)、


素人が治療に対する悩みや、不安や、より安全な治療を求める気持ちの表れなんですよね。



素人からの意見の背景をくみ取って、

ゆるぎなく(ここ大事)、

治療を進めることがプロですよね。



2023年6月 5日 (月)

良い獣医師像

今の若い医師は、

AIを使って、バリバリ海外論文を読むから、かなわないね~・・・・と、医学部の先生が言われている


とは、

大学(獣医学部)の先生とやり取りをしていた時の、医学部の状況の話。



DeepL

Perplexity

PubmedX



この数年、医学生物学領域のAIの発展は目覚ましい。


獣医学と獣医療では、必ずしも、最適解は一致しないが(終末期医療に対する考え方や、医療費の問題で)、



最先端の獣医学を求めていく姿勢において、

これからは

臨床獣医師間で、

かなりの差が出てくる時代に突入



『良い獣医師像とは』


・ジェネラルで、かつ、スペシャル

・AIを使いこなす


(一昔前は、英語論文を読む能力も条件の一つだったけど、AIがあればね・・笑)



獣医学は、日々発展し続けている

ゆえに

獣医師は、いつだって発展途上




私達は、最適なツールを使って、日々の前進あるのみ


(ちなみに上記AIを知らない一般の方・・・・・ネットで、エビデンスを探したなんて大上段に構えられても、我々とはそのエビデンスにおいて、質がまったく違うので、あしからず。ちなみに、一般の方にも、このAIは開放されてますので、知りたいことはまじめに勉強しましょう!)

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