弱った野鳥を絶対に保護しないように
10月7日に、
茨城県で、高病原性鳥インフルエンザ症例が確認されました。
今シーズン2例目(1例目は神奈川県)の国内確認症例で、
全国の野鳥サーベイランス対応レベルが1~3の3になりました。
皆さん、
諸々気持ちはわかりますが
弱った野鳥を絶対に保護・触らないようにしましょう。
10月7日に、
茨城県で、高病原性鳥インフルエンザ症例が確認されました。
今シーズン2例目(1例目は神奈川県)の国内確認症例で、
全国の野鳥サーベイランス対応レベルが1~3の3になりました。
皆さん、
諸々気持ちはわかりますが
弱った野鳥を絶対に保護・触らないようにしましょう。
千葉県も、
既に、SFTSの存在が確定されています(2017年のサンプルです)。
犬や猫でSFTSを疑う場合は、
新型コロナの初期の頃に医師が着ていた宇宙服のような防護服での対応になります。
はっきり言って、
めちゃ怖いので (ヒトの死亡率20~40%)、
皆さん、ダニの予防を、しっかりしましょう。
SFTSのことを考えると、ダニ予防は、3月~12月まで・・・・いや12ヶ月間実施しても良いくらいですね。
死ぬまで踊り続けていくには、名前が欲しい・・・・
とは、
バーストヘッドでのミチロウ先生の名言ですが
私は、名前を、物語に、置き換える。
物語の力は人生を楽しくサーフし乗り切るには、重要なファクター。
物語の最大のものは宗教だろうけど、大きくなりすぎると、物語の力、それ自体に、飲み込まれてしまう。
小さな小さな物語が、肝要。
例えば、
真理(しんり)という言葉が子供の頃から好きで、高校時代に横に座ったキラキラしてる子の名前を何気に見たら真理(まり)で、そのまま結婚しちゃった・・・俺、幸せ!!!
みたいな(笑)。
さて、小学生の頃、
通学路に、大きな家があって、大きなお庭に、放し飼いのボクサー犬がいた。
会うのが毎日、楽しみだった。
私にとって、犬の原体験は、ボクサー犬。
(ちなみに私の親は、犬が大嫌いで・・・・今は大好きみたい・・・・犬を飼ったことはなかった)
開業前の30歳の頃
知り合いの獣医師の家にたまたま行ったら、真っ白いボクサー犬がいて、
その美しさに感動した。
それで、
開業後、白のボクサー犬をすぐにもらってきた。
で、ボクサー犬のことを色々知りたくて調べていると、人間とボクサー犬に好発するなぞの心臓病があることを知った。
心臓病は、前職の研究所時代の、専門分野。
そりゃ、
運命だと思うじゃん!!!!!!
当時の全預金をつぎ込んで、研究用の機器を購入した。解析ソフトだけで100万だったな・・・。
15年くらいデータとって、雑誌にその病気の総説を書いたら、それがさる方の目に留まって、
今じゃ、国の心臓病研究班に所属されるような天才とつながりがもてて、
獣医師としての世界が一気に広がった。
世界といえば、その病気に関わる医療機器販売会社をスペインに見つけて、今、彼らとやりとりしている。
ボクサー犬の為に、アジア全域にその機械を広げたい。
物理的にも世界に出ちゃったよ~。
ここまででも、
ボクサー犬様様だけど、
15年くらいボクサーのデータをとっていたけれど、実は、当院の顧客としてはボクサー犬は1頭もいなかった。全頭、県外の、データ取りに協力してくれた犬ばかりだった。
それが昨年、
初めて患者として(調子の悪い)ボクサー犬が来院した
はじめはわからなかったけど、まれな感染症であることがわかり(おそらくその症例に出会うのも生涯1回?あるかないか・・・)
結局、奇跡的に救命できて・・・本当に奇跡だったね・・・最初誤診してたからね・・・・はぁ~
絶対運命だと思って、
世界中の論文を色々調べていると、
その過程で、
世界的な微生物の研究者で、千葉の某大学の副学長とメル友になったり、
有名な某博士が昭和初期に書いた、超お宝の微生物の研究書をヤフオクでたまたま手に入れたり
(その本、九州大学の図書室のガラスケージにも入っていうそうです)
すごいことが沢山起こって、
結局、その感染症の総説を書くことになって、この度、専門誌に発表した。
・・・・・・・・
通学路のあのボクサー犬がいたから、今の私と、今の私の交友関係があるという物語
この物語は、
死ぬまで踊り続ける為に、過去を、未来完了型にする物語
人間らしいよね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ああ、そうだ、真理ちゃん
物語は成立しなかったけど
元気?
メール頂戴(笑)
表紙の一番下に、総説のタイトルがあります。
Happy!!!!!
昨日、フェレットとネコには、COVID-19にたいする感染性がある・・・・
との論文を紹介しました。
研究の世界は、本当にめまぐるしいもので、
既に、フェレットのCOVID-19の感染モデルが、論文報告されていました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1931312820301876?via%3Dihub
注目すべきは、この感染実験モデルで、死亡例がでなかったことですね(症状は、ヒトと同じです)。
ネコは、経験的に、感染しても死亡しない気がします(ネコはすごい低酸素に耐えられるから)。
先のフェレットに感染があるというScienceの論文を見たときに、
研究者として、すばらしい報告だという気持ちと、
フェレットを診る臨床医として、とても心配な気持ちの、
相反する感情が湧き出ましたが、
本論文で、少し救われました。
ヒトのCOVID-19の治療法も論文で精査してますが・・・・・
点滴などの指示療法+ステロイド+基礎疾患の治療+酸
素療法+最終的にはECMOがスタンダードですね。
これに現在、抗RNAウイルス薬の投与が検討されています。
フェレットのこの死なない症状ならば、十分、点滴などの指示療法+ステロイド
+酸素療法でいけそうですかね?
(その前に、法律上、感染動物を診察可能か?は不明ですが)
にしても、
新型インフルが流行った2009年、
エキゾの学会に行って、
非常に高名なエキゾの専門医に、
ヒトのインフルが感染したフェレットを、臨床でみたことあるか?抗原検査したことあるか?
って質問したら、
ウイルスは種を超えてうつらない!
って中学性のようなウブな答えが返ってきて、
獣医師の集団って、とんでもない不勉強の集まり? と思った記憶があります。
だって、ヒトのインフルエンザのワクチンや薬・・・・・ちなみに制と剤も・・・・は、
フェレットで研究するのは医学では、常識ですから。
たとえ、はじめは知らなくても、勉強してたら、いつか気づくでしょう?
あれから10年、
エキゾしか診ない獣医師たちに、しっかりと、この論文情報が、共有されているもか、
不安になりますね~。
ちなみに、この論文の著者20人中、獣医師関係は1人
・・・・・・だろうね。
さてコロナ
政府の対策ですが、
せめてさ、インフルエンザの検査キットくらい、コンビニで買えるようにしようよ。
私は持ってるけど、
結局、一般人は、熱が出て、すわコロナか!・・・・・いやインフル・・・・・いや・・・・で、悩むわけでしょ?いい加減阿呆な規制はやめるべきだよね。
それはともかく、
少なからずの以下の問い合わせがありました。
新型コロナは、ペットにうつるのか?
結論を書きます(世界小動物獣医師協会の公式アナウンス)
① 新型コロナ(COVID-19)が、犬猫家畜にうつったという報告は無い
② おそらく今後もないであろう
です。
犬にも犬コロナウイルス、猫にも猫コロナウイルスはありますが、それらも人にはうつりません。
犬の6種ワクチンには、犬コロナウイルスを予防する株が入っています。
思うのです、
若い諸君、
発想を変えましょう!
せっかくだから、このさいウイルスの勉強をしましょう。
世界には、まだ数万種類の未知のウイルスがあって、そのうち少なからずのウイルスが人にうつると考えられています。
この先、ウイルスを勉強すると、食いっぱぐれないよ~。
私、臨床歴医20年ですが、知らなかったな~
レントゲンに、うつるんですね~
毛を分けると
もうでてるね!
こいつらが!
当院youtube (世界に発信しています。全て飼主の同意は得ています。世界初の動画も有?190動画あって、ジャンプが遅かも)
https://www.youtube.com/channel/UC9qDMRC15D_O2tdFiUbnr2A
ここでコラム書いてます
https://wannya365.jp/writer/detail/11
北森ペット病院(千葉県茂原市)
https://www.kitamori-ac.com/
北森ペット病院・北森です。当院ブログをご覧頂き、感謝いたします。
一時話題になった、ダニからの致死性の高いウイルス感染症SFTSに、臨床の現場で獣医師と看護師が感染したとの連絡が回ってきました。
SFTS疑いの猫からの感染のようですが、怖いことに、獣医師も看護師も、手袋、マスク着用だったとのことです(ゴーグル、フェイスシールドは無し)。
いや~恐ろしいですね。
SFTS
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html
ところで、米国中心に、世の中のウイルスの全調査が行われています。
報告によれば、
160万種のウイルスの存在が予想され、このうちヒトに感染するウイルスは70万種と考えられています。
現在、ヒトに感染するウイルスは400種しか見つかっていないので、今後も、どしどし、新種のウイルスが見つかるでしょうね~。
でも、自然を生きるってそういうことですからね。心配ならば、若い皆さん、ウイルスの研究者になりましょう!
感染した獣医師、看護師は、回復したそうです。良かったね。
北森ペット病院(千葉県茂原市):PC用
http://kitamori.in.coocan.jp/
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本日は、人畜共通伝染病で、時に、妊婦さんが怖がるトキソプラズマについてです。
トキソプラズマは、原虫という眼に見えない生物による人畜共通感染症で、豚肉の生食などから人に感染します。一時、猫からの感染が注目されましたが、猫からはホボホボないですね。
最近、コロラド大学の疫学調査で、面白い報告がありました。
トキソプラズマの感染が、人生の様々な行動に(良い?)影響を与えているというのです。
例えば、
大学でビジネス系を専攻する人が、非感染者の1.4倍、
企業する人が、非感染者の1.8倍、
因果関係は明らかにされていませんが、相関関係はあるそうです。
http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/285/1883/20180822
面白い研究ですね。
北森ペット病院(千葉県茂原市)
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本日は、ダニ(の予防)の話。
知り合いが、川に釣りに行って、原因不明の高熱・発疹が出て、ダニが原因のツツガムシ病ではないかと治療中です。
怖いですね。
ダニが媒介する病気は、時に、死にますからね~。人も、犬も、猫も。
房総は、国内でも屈指のダニ密生地域です。
上記のツツガムシ病は、その昔、房総の風土病として恐れられていました。
人もペットも、ダニ予防忘れずにしましょうね。
① 予防の基本
● ペットのダニ予防は、必ず、病院処方の薬剤を使用
市販のものは、有効性が低いです。下記は有名な予防薬フロントラインと、某市販薬の効果の差のデータです。市販薬も駆除はするので嘘はついてませんが、100%予防しないと意味ないですからね。
● 予防期間は3月頃から12月頃まで
意外と知られていませんが、ダニは、秋口に大繁殖します。必ず、夏過ぎて涼しくなっても予防は忘れずに。
● 人の予防(草むら等に入る場合)
・ DEET 15~25%含有の防虫剤(小児はOKだが乳幼児は不可)
・ 肌を露出させない
・ ペットのダニ予防(ペットに付着したダニを室内に持ち込まない)
② ダニに刺されたら
24時間以内であれば、ライム病(後述)などは、発症を予防できるそうなので、直ちに病院へ行きましょう。
③ ダニが媒介する病気
● 犬猫
・ バベシア病(犬) 西日本
・ ヘモプラズマ(猫)
● 人間
・ ツツガムシ病 北海道以外
・ ライム病 主に北海道
・ 日本こうはん熱 西日本
・ SFTS 九州、中四国地方
・ ダニ媒介性脳炎 北海道
④ ダニの写真
一頭に500匹以上寄生。フロントラインで駆除
北森ペット病院(千葉県茂原市)
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本日は、衝撃的なお話です。猫に手を咬まれたことが事が原因で起こった、失明のお話です(当然ヒトです)。
しかも、咬まれてから5~6時間で失明したという衝撃的な症例です。
先だっての千葉県下で発生した獣医師のブルセラ症のように、獣医師は人畜共通感染症に罹患する可能性が大なので、日々、様々な情報を調査しています。今回のお話は、国内屈指の某医科大学の医師のカンファレンスでとりあげられていた症例報告です(なので、ネットでは検索できません)。
症例ですが、
70代の男性(内科的な既往歴はありません)が、猫に手を噛まれ、放置していたら発熱、手の腫脹、目が見えなくなって救急搬送されたそうです。
私は、すぐに猫ひっかき病を想像したのですが、
https://www.bayer-pet.jp/pet/library/disease/cat-scratch.html
猫ひっかき病は、ノミが媒介するBartonella henselase菌が原因で起こり、咬まれたり、引っかかれたりして、数日後から発症し、外傷場所や、近くのリンパが腫れる疾患です。猫に咬まれないようにすることも重要ですが、猫へのノミ寄生の予防が大切な感染予防になります。
しかし、今回の症例の原因菌は、まったく別の菌・・・Pasturella multocidaでした。こちらは、猫の常在菌です。
私もそうですが、カンファレンスに参加した医師達も非常に驚いたようです。通常の猫ひっかき病ではないし、繰り返しますが、咬まれてから5~6時間で失明ですからね。
改めて、人畜共通感染症の恐怖を思い知らされました。
皆さん、
・野良猫保護の際は注意しましょう
・猫に咬まれないようにしましょう
・咬まれたら、直ちに患部を水で流してください!
・患部に腫れが出てきたら、病院へ直行
そして、人畜共通感染症に対する意識を常に忘れないように。
ですね。
それにしても、学内のカンファレンスでの症例報告を、情報として開示する医師達の姿勢はすごいですね。症例発表に対する他の医師達の質問なども公開されており、私もとても参考になります。現在進行中の自分の担当症例の経過と治療(方針)を発表して、他の医師達と評価し合う・・・・他のプロフェッショナルの眼が入ることがどれほど厳しいことか、想像できますが・・・・・獣医業界とはえらい違いですね(とほほ)。